運営・安全

法定研修 年間計画表 + 受講記録簿

年1回以上が必要な研修の年間計画と受講記録をまとめて管理できます。職員ごとの受講状況が自動で集計されます。

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この書類に決まった様式はありません

研修の受講記録簿に定型様式は無く、実地指導では事業所独自の記録が確認される。

収録内容

  • ・年間研修計画表
  • ・研修実施記録簿 / 受講明細
  • ・個人別 受講状況マトリクス(自動集計)
  • ・委員会開催記録
  • ・減算リスク判定

制度の解説

1. 単位数・報酬(減算リスク一覧)

研修そのものに単位数は付きません。付くのは「やらなかったときのマイナス」なので、このブロックは減算表として整理します。 減算率はすべて 基本報酬の所定単位数に対する率 であり、各種加算を含めた合計額に対する率ではありません。

1-1. 児童発達支援(報酬告示 別表「児童発達支援給付費」の注)

減算名減算率根拠(告示の注)根拠となる基準条文
身体拘束廃止未実施減算所定単位数の100分の1注5指定通所基準 第44条第2項・第3項
虐待防止措置未実施減算所定単位数の100分の1注5の2同 第45条第2項
業務継続計画未策定減算所定単位数の100分の1注6同 第38条の2第1項
情報公表未報告減算所定単位数の100分の5注6の2児童福祉法 第33条の18第1項
自己評価結果未公表減算所定単位数の100分の85を算定(=15%減)注3(3)同 第26条第7項
支援プログラム未公表減算所定単位数の100分の85を算定(=15%減)注3(4)同 第26条の2

1-2. 放課後等デイサービス(別表「放課後等デイサービス給付費」の注)

減算名減算率根拠(告示の注)根拠となる基準条文
身体拘束廃止未実施減算100分の1注6第71条で準用する第44条第2項・第3項
虐待防止措置未実施減算100分の1注6の2第71条で準用する第45条第2項
業務継続計画未策定減算100分の1注6の3第71条で準用する第38条の2第1項
情報公表未報告減算100分の5注6の4児童福祉法 第33条の18第1項
自己評価結果未公表減算100分の85を算定注4(3)第71条で準用する第26条第7項
支援プログラム未公表減算100分の85を算定注4(4)第71条で準用する第26条の2

報酬告示の「注」の番号は改正のたびに枝番が増えて移動します(注5の2、注6の3など)。配布時点で告示本文にあたり、注番号を再確認してください。本資料は注番号がずれても追跡できるよう、基準の条文番号を併記しています。

1-3. 減算が始まる月・終わる月(留意事項通知)

  • ・身体拘束・虐待防止:事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事等に提出し、事実が生じた月から3月後に改善状況を報告する。減算は事実が生じた月の翌月から改善が認められた月まで、利用者全員について適用。「事実が生じた」とは、運営基準を満たしていない状況が確認されたことを指す。
  • ・業務継続計画・情報公表:事実が生じた翌月から、状況が解消された月まで、利用者全員。
  • ・支援プログラム未公表・自己評価結果未公表:届出がされていない月から解消月まで。この2つだけ起算月が「翌月」ではなく「届出がされていない月」です。

1-4. 複数該当したときは足し算ではなく掛け算

留意事項通知は「複数の減算事由に該当する場合は、それぞれの減算割合を乗ずる」としています(大きい方のみを取るのは、定員超過利用減算と人員欠如減算の組み合わせだけ)。 虐待1%・身体拘束1%・BCP1%・情報公表5%が同時に該当すると、0.99 × 0.99 × 0.99 × 0.95 ≒ 0.9218、つまり約7.8%減になります。

1-5. 試算例(架空事業所/放デイ 月間20,000単位・1単位11.20円の地域)

ケース単位数月額差額
通常月20,000単位224,000円―
虐待防止措置未実施のみ該当(×0.99)19,800単位221,760円月 ▲2,240円
虐待+身体拘束+BCPの3つ該当(×0.99³)約19,406単位217,347円月 ▲6,653円
上に情報公表未報告が加わる(×0.99³×0.95)約18,436単位206,483円月 ▲17,517円

改善確認まで平均4か月とすると、3つ該当で年間 ▲26,612円、情報公表込みで ▲70,068円。 金額だけ見ると小さく見えますが、実務上の本丸は「改善計画の提出」「3か月後の改善報告」「実地指導での重点指導」という行政対応の負荷と、指導に従わない場合の指定取消し等の検討(留意事項通知に明記)です。

※ 実際の請求は単位数の段階で端数処理されるため、円換算の試算値は数円単位でずれます。

1-6. 減算はないが、やらなくていいわけではない研修

感染症・食中毒(第41条第2項)、安全計画に基づく研修・訓練(第40条の2)、ハラスメント(第38条第4項)、業務継続計画の研修・訓練(第38条の2第2項)には減算規定がありません。ただしいずれも運営基準そのものなので、未実施は実地指導での文書指摘・改善勧告のルートに乗ります。

とくにBCPは、

  • ・策定(第38条の2第1項)=減算あり
  • ・研修・訓練(第38条の2第2項)=減算なし。ただし基準違反

という非対称になっています。「BCPは作ったから大丈夫」で研修・訓練を飛ばしている事業所が多い箇所です。

2. 算定要件・制度要件(告示番号・条文番号を全件併記)

頻度の出典は、基準省令(平成24年2月3日厚生労働省令第15号)、その解釈通知(平成24年3月30日障発0330第12号)、および留意事項通知(平成24年3月30日障発0330第16号、最終改正 令和8年3月31日こ支障第88号)です。

テーマ根拠条文(児発/放デイ)委員会研修の最低頻度訓練新規採用時減算
虐待の防止第45条第2項/第71条で準用虐待防止委員会を1年に1回以上開催年1回以上―必ず実施(解釈通知(35)③)あり 1%
身体拘束等の適正化第44条第2項・第3項/第71条で準用身体拘束適正化検討委員会を1年に1回以上開催年1回以上―必ず実施(解釈通知(34)④)あり 1%
感染症・食中毒の予防及びまん延の防止第41条第2項/第71条で準用感染対策委員会をおおむね3月に1回以上(+流行期は随時)年2回以上(解釈通知(31)ウ)予防・まん延防止のための訓練を年2回以上(同エ)必ず実施なし
業務継続計画(BCP)第38条の2/第71条で準用―年1回以上(解釈通知(28)③)年1回以上(同④、机上と実地を組み合わせる)別に実施することが望ましい策定していない場合のみ 1%
安全計画(事業所内・事業所外活動・送迎を含む)第40条の2/第71条で準用―「定期的に実施」(回数の明示なし)「定期的に実施」(同上)―なし
送迎車の所在確認・置き去り防止第40条の3/第71条で準用―研修義務ではなく乗降時ごとの所在確認義務。安全計画の研修・訓練に組み込む――なし
非常災害対策(避難・救出)第40条/第71条で準用―計画を定期的に従業者へ周知定期的に避難・救出訓練(消防法上は別途 年2回以上の可能性。2-3参照)―なし
衛生管理第41条第1項/第71条で準用―独立した「衛生管理研修」の規定はなく、感染症・食中毒研修に包含――なし
ハラスメント防止第38条第4項/第71条で準用―回数規定なし。方針の明確化・周知啓発と相談窓口の設置が措置義務――なし
個人情報・秘密保持第47条/第71条で準用、個人情報保護法第23条・第24条―回数規定なし。従業者への必要かつ適切な監督が義務――なし

2-1. 条文の言い回しを、そのまま押さえておくべき点

虐待防止(第45条第2項)は3点セット。 ① 委員会を定期的に開催し、結果を従業者に周知徹底する ② 従業者への研修を定期的に実施する ③ これらを適切に実施するための担当者を置く

留意事項通知は、この3つのうちどれか1つでも欠ければ減算としています。担当者は児童発達支援管理責任者等を配置することとされ、都道府県が行う虐待防止研修の受講が望ましいとされました(令和6年度改正で追記)。

身体拘束(第44条)は4点。 ① 緊急やむを得ない場合の記録(切迫性・非代替性・一時性の3要件すべてを満たし、組織として要件確認の手続を行った旨まで記録する) ② 委員会 ③ 指針の整備 ④ 研修

留意事項通知は、①記録が行われていない ②委員会を1年に1回以上開催していない ③指針未整備 ④研修を1年に1回以上実施していない、のいずれかで減算とします。①は「身体拘束を行った場合」ではなく「記録が行われていない場合」である点に注意してください。

令和6年度改正での変更点。

  • ・身体拘束適正化検討委員会の開催は「少なくとも1年に1回は開催することが望ましい」から「必要」に格上げされた。
  • ・虐待防止委員会および身体拘束適正化検討委員会の対応状況は「適切に記録の上、5年間保存」が明記された(解釈通知(35)①・(34)②の両方に追記)。

BCPの非対称。 第38条の2第2項の「周知+研修及び訓練を定期的に」は減算の対象外。減算は第1項(策定と、計画に従った必要な措置)のみ。

ハラスメント。 第38条第4項の措置義務は、男女雇用機会均等法第11条第1項および労働施策総合推進法第30条の2第1項を受けたものです。具体的内容はセクハラ指針(平成18年厚生労働省告示第615号)とパワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)によります。解釈通知は、保護者等から受けるセクシュアルハラスメントも含むこと、障害児による従業者への問題行動についても相談体制の整備が望ましいことに触れています。

2-2. 記録の保存年限

第54条第2項により、身体拘束等の記録・苦情・事故の記録は提供日から5年間。 研修記録は同項に列挙されていませんが、第54条第1項の「従業者に関する諸記録」として整備が必要で、実地指導では直近年度+過去分を求められます。本様式は他の記録と揃えて5年保存で自動計算しています。

2-3. 消防法との二重管理

消防法施行規則第3条第10項は、消防法施行令別表第一(六)項に掲げる防火対象物の防火管理者は消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施しなければならないとし、同条第11項で事前に消防機関へ通報することを求めています。 児発・放デイは(六)項に該当し得ますが、(六)項ロか(六)項ハかの用途区分と、収容人員による防火管理者選任義務の有無で結論が変わります。所轄消防署への確認欄を様式に設けています。

3. 空欄様式(そのまま自事業所で使える)

Excel(編集可・A4印刷前提)で6様式。すべて右上に「事業所名/サービス種別/年度」欄、下部に「記録者・管理者確認」欄と「保存期限」欄を持たせています。

様式内容Excelシート
様式1年間法定研修計画表(A4横・1枚)03_年間研修計画表
様式2研修実施記録簿(1行=1研修)04_研修実施記録簿
様式3個人別受講状況一覧(年度1枚)06_個人別受講状況マトリクス
様式4委員会開催記録(3委員会共通)+別紙A・B07_委員会開催記録
様式5未受講者フォロー記録04_研修実施記録簿 のフォロー列+06 の●表示
様式6年度末セルフチェック(減算リスク判定)08_減算リスク判定

様式1 年間法定研修計画表 区分(法定・減算あり/法定・減算なし/加算要件/任意)/研修テーマ/根拠条文・告示/年間最低回数/担当者/4月〜翌3月の12列(実施予定は◎、実施済は●)/予定回数/実施回数/過不足/充足判定/直近実施日/次回期限/残日数。 下段に委員会開催計画の帯(虐待防止委員会・身体拘束適正化検討委員会・感染対策委員会)を別行で持たせ、研修と委員会を1枚で俯瞰できるようにしています。最下部に「作成日/管理者承認/職員周知日・周知方法」欄。

様式2 研修実施記録簿 実施日/研修区分/開始・終了時刻/実施時間(自動)/研修テーマ/根拠条文/実施方法(集合・オンライン同時・録画視聴・外部研修受講・法人合同)/会場/講師/使用資料名/対象者数(自動)/出席者数(自動)/出席率(自動)/欠席者/フォロー完了日/理解度確認の方法と結果/記録者/管理者確認/保存期限(自動)。 出席者の氏名は 05_受講明細 に1人1行で入れます。ここが埋まって初めて「誰が受けていないか」が機械的に出ます。 研修区分は、全職員向けの年次研修なら空欄または「全体(年次)」、新規採用者だけに行う採用時研修なら「採用時・個別」を選びます。「採用時・個別」の行は、様式1の年間実施回数・直近実施日と、様式6の「年1回以上実施しているか」の判定から除外されます(採用時研修は年次研修の代替にならないため)。また対象者数は全在籍職員ではなく受講者本人の人数になるので、出席率が不当に低く出てフォロー漏れの警告が誤発火することもありません。

様式3 個人別受講状況一覧 行=職員、列=法定研修テーマ。受講済は○、未受講は●が自動表示されます。右端に個人別受講率、最下行にテーマ別受講率と全体受講率。新規採用者は行の背景色が変わり、採用時研修(虐待防止・身体拘束・感染症)の実施状況は 02_職員マスタ のM〜O列で確認できます。委託先(給食・清掃・送迎委託)への指針周知欄は 02_職員マスタ の下部にあります。この表は職員40名分(02_職員マスタ の行3〜42と1対1)です。41名目以降を入れるときは、02とこの表の両方に行を足し、最下部の集計レンジも同じ行数まで広げてください。

様式4 委員会開催記録 委員会名(虐待防止/身体拘束適正化検討/感染対策/一体開催)/開催日時/開催形態(対面・テレビ電話装置等)/開催単位(事業所単位・法人単位)/出席者/外部委員/議題/決定事項/従業者への周知(周知日・方法・確認)/議事録作成者/委員長確認/保存期限(自動・5年)。 別紙Aとして「虐待・不適切な対応の報告様式」、別紙Bとして「労働環境・条件のチェック様式」を同じシートに付けています(解釈通知が様式の整備を求めている部分)。

様式5 未受講者フォロー 06_個人別受講状況マトリクス で●が残っている職員を、04_研修実施記録簿 の「欠席者」「フォロー完了日」列で追跡します。出席率が100%未満でフォロー完了日が空欄の行は自動で黄色くなります。1名でも未受講が残ったまま年度末を越えないための仕掛けです。

様式6 年度末セルフチェック 減算4種+参考2種を、実地指導で聞かれる順に並べています。各項目に根拠条文・判定根拠となる記録・判定・是正期限・担当者の欄があり、判定は04・07シートから自動で拾います。

4. 記入例(架空設定)

Excelの 09_記入例 シートに、下記の内容を記入済みで入れてあります。誤って本番データとして使わないよう、シート保護(パスワードなし)をかけています。

事業所名・職員名・利用児名はすべて架空であり、実在の事業所・人物とは関係ありません。

4-1. 架空の設定

  • ・運営法人:〇〇株式会社
  • ・事業所:児童発達支援・放課後等デイサービス 〇〇(多機能型/定員10名)/所在地:〇〇県〇〇市〇〇1-2-3
  • ・職員8名(実在の人物と結び付かないよう、職員名は記号表記にしています)
氏名職種雇用区分入職日週所定常勤換算
職員A管理者兼児童発達支援管理責任者(虐待防止担当者)常勤R4.4.140h1.00
職員B児童指導員常勤R5.4.140h1.00
職員C保育士常勤R6.4.140h1.00
職員D児童指導員常勤R8.6.140h1.00
職員E保育士非常勤R6.9.124h0.60
職員F作業療法士非常勤R7.4.18h0.20
職員G支援員兼送迎担当非常勤R5.10.120h0.50
職員H事務非常勤R7.4.116h0.40

常勤換算 =(40×4 + 24 + 8 + 20 + 16)÷ 40 = 5.7

利用児は記録上すべて仮名(例:児童A/小学3年)。 委員会記録・研修記録に利用児の氏名を書く場合は仮名またはイニシャルにし、個人が特定できる記述は別綴じの個別記録に置いてください。

4-2. 様式1(令和8年度 年間法定研修計画表)の記入例

月実施内容根拠条文
4月安全計画の周知と送迎安全研修/年間研修計画の職員周知第40条の2・第40条の3
5月虐待防止研修 第1回/虐待防止委員会 第1回/感染対策委員会 第1回第45条第2項・第41条第2項
6月感染症・食中毒予防研修 第1回(夏季の食中毒・水遊び前の衛生)/新規採用者研修(職員D)第41条第2項・解釈通知(35)③
7月個人情報・SNS利用研修第47条・個人情報保護法第24条
8月BCP研修(自然災害編)+机上訓練/感染対策委員会 第2回第38条の2第2項
9月感染症予防訓練 第1回(発熱児発生時のシミュレーション)/消防訓練 第1回(避難・消火、所轄消防へ事前通報)第41条第2項・第40条/消防法施行規則第3条第10項
10月身体拘束等の適正化研修/身体拘束適正化検討委員会第44条第2項・第3項
11月感染症・食中毒予防研修 第2回(インフルエンザ・ノロ)/感染対策委員会 第3回第41条第2項
12月ハラスメント防止研修/感染症予防訓練 第2回第38条第4項・第41条第2項
1月BCP研修(感染症編)+訓練/虐待防止委員会 第2回第38条の2第2項・第45条第2項
2月送迎車置き去り防止とヒヤリ・ハット検証研修/消防訓練 第2回/感染対策委員会 第4回第40条の3・第40条・第41条第2項
3月年度末セルフチェック/自己評価・保護者評価の集計と公表/次年度計画の策定第26条第7項・第26条の2

判定欄:虐待防止=最低1回に対し実施2回「充足」、感染症=最低2回に対し実施2回「充足」、BCP研修=最低1回に対し実施2回「充足」、身体拘束=最低1回に対し実施1回「充足」。

4-3. 様式2(研修実施記録簿)の記入例

  • ・実施日:令和8年10月14日(水)18:00〜19:15(75分)
  • ・テーマ:身体拘束等の適正化/研修区分:全体(年次)/根拠:指定通所基準第44条第3項第3号
  • ・実施方法:集合(プレイルーム)、欠席者は録画視聴
  • ・講師:管理者 職員A
  • ・使用資料:当事業所「身体拘束等の適正化のための指針」(令和8年4月改訂)、こども家庭庁「障害児支援の安全管理に関するガイドライン」(令和6年7月)
  • ・次第:
  1. 身体拘束等の定義と、緊急やむを得ない場合の3要件(切迫性・非代替性・一時性)と組織的手続(20分)
  2. 当事業所の指針の読み合わせ(15分)
  3. 事例検討「送迎車で走行中に立ち上がる児童A(仮名・小3)への対応。抱えて座らせるのは身体拘束にあたるか、代替手段は何か」(25分)
  4. 身体拘束記録票の記入演習(15分)
  • ・対象8名/出席6名/出席率75.0%
  • ・欠席:職員E(勤務日外)、職員F(他事業所勤務)→ 10月21日に録画視聴+確認テスト提出でフォロー完了
  • ・理解度確認:5問テスト、全員4問以上正答
  • ・受講者の気づき:「走行中の立ち上がりは、シートベルト着用の徹底と座席配置の見直しで予防できる」→ 送迎マニュアルの改訂を11月の職員会議に提案
  • ・記録者:職員C/管理者確認:職員A/保存期限:令和13年10月14日

4-4. 様式4(虐待防止委員会記録)の記入例

  • ・開催日:令和8年5月20日(水)17:30〜18:30
  • ・形態:対面(外部委員1名はテレビ電話装置等で参加)/開催単位:事業所単位
  • ・出席:職員A(委員長・虐待防止担当者)、職員B、職員C、外部委員(保護者会代表・外部の第三者)/欠席:なし
  • ・議題:
  1. 令和7年度の虐待・不適切な対応の報告集計(虐待該当0件、職員からの自己申告による不適切な言動の申告2件)
  2. 労働環境・条件チェック様式の集計結果(「大きな声で制止してしまうことがある」に4名が該当)
  3. 令和8年度 虐待防止研修プログラムの承認
  4. 前年度の再発防止策の効果検証
  • ・決定事項:
  1. 5月・1月の年2回、虐待防止研修を実施し、10月の身体拘束研修と内容を接続する
  2. 声かけの言い換え表を作成し、支援室に掲示する(担当:職員B、期限6月末)
  3. 不適切な言動の自己申告様式を毎月回収する運用に変更する
  • ・従業者への周知:5月25日の朝礼で共有し、議事録を回覧、全職員が確認印を押印
  • ・議事録作成:職員C/委員長確認:職員A/保存期限:令和13年5月20日

4-5. 様式3(個人別受講状況)の記入例

職員D(令和8年6月1日入職)の行は、採用時研修として6月8日に虐待防止・身体拘束・感染症の3件を受講済とし、その後10月14日の身体拘束研修にも出席したことを併記しています。 採用時研修は年次研修の代替にはなりませんが、採用日以降に年次研修を受講していれば重複受講は不要です。この3件は 04_研修実施記録簿 では研修区分「採用時・個別」で記録するため、様式1の年間実施回数や様式6の年1回以上判定には乗りません。 令和8年12月末時点で全体受講率98.4%、テーマ別受講率は身体拘束100%(フォロー後)、ハラスメント87.5%(1名フォロー中)。

5. Q&A と 実地指導での指摘例

5-1. Q&A

Q1. 虐待防止研修と身体拘束適正化研修を1回にまとめてよいか。 よい。解釈通知(34)④は、他の研修プログラムで身体拘束等の適正化を取り扱う場合、例えば虐待防止研修の中で取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えないとしています。ただし記録には両方のテーマを扱ったことが分かる次第と資料を残すこと。逆方向(身体拘束研修をもって虐待防止研修とみなす)は通知に書かれていないため、虐待防止研修は独立して記録を立てるのが安全です。

Q2. 虐待防止委員会と身体拘束適正化検討委員会は一体でよいか。 よい。両委員会は関係する職種等が相互に関係が深いと認められるため、一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会で身体拘束等の適正化を検討する場合を含む)をもって当該委員会を開催しているとみなして差し支えないとされています(留意事項通知)。議事録の議題欄に、両方のテーマを検討したことが分かるように書いてください。様式では委員会名に「一体開催(虐待・身体拘束)」を選ぶと、両方の開催回数にカウントされます。

Q3. 委員会を法人単位で開催してよいか。 よい。事業所単位でなく法人単位で設置・開催することが可能とされています。ただし検討結果を各事業所の従業者へ周知徹底することが必要なので、事業所ごとの周知記録(周知日・方法・確認)を残してください。

Q4. オンラインや録画視聴でもよいか。 委員会はテレビ電話装置その他の情報通信機器を活用して行うことができます(障害児が参加する場合は特性に応じた配慮、個人情報保護委員会等のガイドライン遵守が条件)。研修は事業所内で行う職員研修で差し支えないとされており、実施方法自体の限定はありません。録画視聴の場合は、視聴日・視聴確認・理解度確認をセットで記録してください。

Q5. 非常勤やパート、送迎だけの職員も対象か。 条文は「従業者に対し」であり、雇用形態による除外はありません。安全管理のガイドラインも、自治体が行う研修や訓練について常勤・非常勤にかかわらず職員が受講することの重要性に触れています。給食・清掃を委託している場合は、感染症対策の指針が委託先にも周知されるようにする必要があります(解釈通知(31)ウ)。

Q6. 職員の1人が未受講だと減算になるか。 減算の判定基準は通知上「研修を定期的に実施していない場合。具体的には、研修を1年に1回以上実施していない場合」と書かれており、文言上は事業所として研修を実施したかどうかで判定されます。ただし基準は「従業者に対し研修を実施」と定めているため、未受講者を放置すれば基準違反の指摘対象になります。自治体によって全員受講を求める運用があるため、本様式はフォロー記録で必ず全員を埋める設計にしています(→ 6-3 の要確認事項)。

Q7.「年1回以上」は年度単位か、前回から12か月か。 通知は「1年に1回以上」としており、年度とは書いていません。年度単位で管理すると、前年度3月実施→今年度4月実施のように13か月空くケースが起きます。本様式は前回実施日から12か月後を次回期限として自動計算しています。

Q8. BCPの研修・訓練をしていないと減算されるか。 業務継続計画未策定減算の根拠は第38条の2第1項(策定および計画に従った必要な措置)であり、研修・訓練を定める第2項は減算の直接の根拠になっていません。ただし第2項も運営基準なので、未実施は実地指導での指摘対象です。

Q9. 感染症の研修は年1回でよいか。 解釈通知(31)ウは「定期的な教育(年2回以上)」、同エは訓練を「定期的(年2回以上)」としています。減算規定はありませんが、実地指導では通知どおり年2回で見られる可能性があります。自治体の手引きが年1回以上と記載している例もあるため、所轄自治体への確認欄を様式に設けています。

Q10. 送迎の安全研修は法定研修か。 「送迎安全研修」という独立の義務規定はありません。第40条の3は乗降時ごとの所在確認と、送迎用自動車への見落とし防止装置の使用を義務づけるもので、研修としては第40条の2の安全計画に基づく研修・訓練に組み込むのが本筋です。安全管理のガイドラインは、送迎を含むリスクの高い場面ごとに実践的な訓練を行うことを求めています。

5-2. 実地指導で見られるポイント

  1. 年間計画はあるが実施記録がない、または実施記録に出席者の署名・押印がない。受講の事実が確認できないとして再整備を求められる。
  2. 使用した資料が残っていない。当日のレジュメ・スライドをPDFで研修記録に添付して保存する。
  3. 新規採用者の研修記録がない。虐待防止・身体拘束・感染症は新規採用時に必ず実施することとされているため、入職日と採用時研修日の間隔を必ず示せるようにする。
  4. 非常勤・送迎担当・事務職員が対象者名簿から漏れている。
  5. 委員会の議事録に「従業者への周知徹底」の記録がない。周知は条文上の要件(第45条第2項第1号、第41条第2項第1号)なので、周知日・方法・確認欄が空欄だと、委員会そのものを開催していないのと同じ扱いになりかねない。
  6. 虐待防止担当者が誰か特定できない。運営規程・組織図・辞令のいずれかで氏名が確認できる状態にする。
  7. 身体拘束の記録に「切迫性・非代替性・一時性」と組織としての確認手続の記載がない。通知は3要件すべてを満たし、かつ組織として要件確認等の手続を行った旨まで記録することを求めている。
  8. 身体拘束等の適正化のための指針が未整備、または指針に職員研修に関する基本方針が書かれていない(解釈通知(34)③が記載事項を列挙)。
  9. BCPは策定済みだが、研修・訓練の記録がない。
  10. 感染対策委員会が年1〜2回しか開かれていない(解釈通知はおおむね3月に1回以上)。
  11. 情報公表システムの更新が年1回行われておらず、気づかないうちに5%減算が発生している。
  12. 虐待防止委員会の記録の保存年限を3年で運用している(令和6年度改正で5年間保存が明記)。

6. 自事業所の値を入れる計算欄/最終確認日・改定履歴

6-1. 入力するのは次の8項目だけ

① 事業所名 ② サービス種別 ③ 定員 ④ 年度開始日 ⑤ 1単位単価(地域区分に応じた円) ⑥ 直近3か月の月間総単位数 ⑦ 常勤職員が勤務すべき1週間の時間数(既定40、32時間を下回る場合は32時間を基本) ⑧ 職員名簿(氏名・職種・入職日・週所定労働時間・退職日)

以降は、研修を実施したら 04_研修実施記録簿 に1行、出席者を 05_受講明細 に人数分の行、委員会を開いたら 07_委員会開催記録 に1行。これだけです。

6-2. 自動で出る数値

  • ・常勤換算数:各職員の週所定労働時間 ÷ 常勤の勤務すべき時間数を小数第2位まで、合計を第1位まで。母性健康管理措置または育児・介護・治療のための所定労働時間短縮措置が講じられている職員は、週30時間以上の勤務で1として扱えるため、「短時間措置該当」欄を選ぶと自動で1に置換します(留意事項通知の常勤換算の取扱い)。
  • ・研修テーマ別の年度内実施回数と法定最低回数との過不足・充足判定。
  • ・直近実施日と次回期限(前回実施日+12か月)、残日数。残日数が60日を切ると黄、マイナスになると赤に自動着色。
  • ・個人別受講率・テーマ別受講率・全体受講率。未受講セルは●で赤く表示されます。
  • ・減算該当判定:虐待防止は「委員会が過去12か月以内に開催されているか」「研修が過去12か月以内に実施されているか」「担当者が登録されているか」の3判定、身体拘束は記録・委員会・指針・研修の4判定、BCPは策定日の有無、情報公表は直近報告日から12か月経過の有無を、それぞれ記録シートから自動で拾って「該当/非該当」を返します。
  • ・減算影響額の試算:通常月額=月間平均総単位数×単位単価。減算係数は該当する減算ごとに0.99(虐待・身体拘束・BCP)と0.95(情報公表)を掛け合わせます。想定減算月数を入れると年間影響額が出ます。参考行として、支援プログラム未公表・自己評価結果未公表(いずれも100分の85を算定)が重なった最悪ケースも自動表示します。

初期状態(何も入力していない状態)では、記録が確認できない項目はすべて「該当」=減算リスクありと表示されます。入力して初めて「非該当」に変わる設計です。

動作環境:MAXIFS・MINIFS・TEXTJOIN を使用しているため、Microsoft Excel 2019 以降 / Microsoft 365 / Google スプレッドシートで開いてください。Excel 2016 以前では一部のセルに #NAME? が表示されます。

6-3. 本資料で確認しきれていない点(正直に残します)

そのまま自事業所の運用に落とす前に、10_出典・改定履歴 シートの「所轄自治体への確認記録」欄を使って確認してください。

  1. 感染症・食中毒の研修と訓練の回数:解釈通知(障発0330第12号・第三の一の(31)ウ・エ)には「定期的な教育(年2回以上)」「訓練(シミュレーション)を定期的(年2回以上)」と明記されていますが、自治体の手引きや民間の記事に年1回以上と記載する例があります。減算規定がないため運用差が生じやすい箇所です。本資料は通知どおり年2回以上で記載しています。
  2. 感染対策委員会の開催頻度:解釈通知は「おおむね3月に1回以上」としていますが、当該記述は入所系を含む共通の書きぶりです。通所のみの事業所について自治体が年2回程度で運用している例がないかは未確認です。
  3. 安全計画に基づく研修・訓練(第40条の2第2項)の最低回数:基準・解釈通知・こ支障第169号のいずれにも回数の明示がありません(設備・危険箇所の点検について「少なくとも毎学期1回(年3回)以上」の記載があるのみ)。年間計画表では「事業所が定める回数」として空欄運用にしています。
  4. 消防法上の避難・消火訓練:消防法施行規則第3条第10項により令別表第一(六)項の防火対象物は年2回以上ですが、児発・放デイが(六)項ロか(六)項ハのいずれに該当するか、および収容人員による防火管理者選任義務の有無は個々の事業所で異なります。所轄消防署への確認が必要です。
  5. ハラスメント防止研修・個人情報保護研修の「年1回」義務:基準第38条第4項および各指針、個人情報保護法第23条・第24条を確認しましたが、年1回の研修実施を明文で義務づけた規定は見つけられませんでした。措置義務の内容は方針の明確化・周知啓発と相談体制の整備であり、研修は指針上の手段の例示にとどまります。本資料では「年1回義務」とは書いていません。
  6. 一部の職員が未受講のまま残った場合に減算対象となるか:留意事項通知の判定基準は「研修を1年に1回以上実施していない場合」であり、個人単位の未受講を減算事由とする明文はありません。ただし自治体によっては全員受講を求める運用があると考えられ、その裏付けは取れていません。
  7. 令和8年度報酬改定(令和8年3月31日こども家庭庁告示第5号)の全条文までは精査していません。 減算率1%・5%および支援プログラム/自己評価未公表の100分の85は、令和8年3月31日こ支障第88号による最終改正後の留意事項通知と、現行の告示第122号本文で確認した範囲です。
  8. 報酬告示の「注」の番号は改正のたびに移動します(注5の2、注6の3のような枝番が増える)。配布時点で告示本文にあたり、注番号を再確認してください。
  9. 児童発達支援管理責任者の更新研修(5年ごととされる資格系研修)、強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)、中核的人材養成研修の受講年限・有効期間については、一次情報の確認を行っていません。年間計画表には「加算要件・資格系研修」の枠だけ用意し、頻度は空欄にしています。

6-4. 最終確認日と改定履歴

10_出典・改定履歴 シートに、本資料が依拠した告示・通知を一覧で持たせ、各行に確認日と次回確認予定日(確認日+6か月)を自動計算しています。表紙(00_はじめに・使い方)には最新の確認日が自動表示され、次回確認予定日を過ぎると「制度改正の確認をしてください」と赤字で出ます。

版数改定日改定内容根拠となった告示・通知番号確認者
初版令和8年8月14日初版作成令和8年度報酬改定(令和8年3月31日こども家庭庁告示第5号)および最終改正 令和8年3月31日こ支障第88号までを反映(記入)

出典

最終確認日:令和8年(2026年)8月14日

  1. 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年2月3日厚生労働省令第15号)第38条・第38条の2・第40条・第40条の2・第40条の3・第41条・第44条・第45条・第47条・第54条、第71条(放課後等デイサービスへの準用)

https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015

  1. 児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年3月14日厚生労働省告示第122号)別表「児童発達支援給付費」注3(3)(4)・注5・注5の2・注6・注6の2、「放課後等デイサービス給付費」注4(3)(4)・注6・注6の2・注6の3・注6の4
  2. 児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(平成24年3月30日障発0330第16号、最終改正 令和8年3月31日こ支障第88号)

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/555544a2/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_18.pdf

  1. 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(平成24年3月30日障発0330第12号)【令和6年度改正 新旧対照表・別紙2】第三の一の(27)(28)(30の2)(30の3)(31)(34)(35)

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/253aba4f-3ce0-4aa1-a777-3d42440f1ca2/0ff3d1f9/20240412_policies_shougaijishien_shisaku_hoshukaitei_53.pdf

  1. 障害児支援における安全管理について(令和6年7月4日こ支障第169号、こども家庭庁支援局長通知)および別紙1「障害児支援の安全管理に関するガイドライン」(令和6年7月)

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/25b66fba/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_14.pdf

  1. 令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について(こども家庭庁)

https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/r8hoshukaitei

  1. 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(こども家庭庁)

https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/hoshukaitei

  1. 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条第10項・第11項

https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000008006

  1. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第23条(安全管理措置)・第24条(従業者の監督)

https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057

  1. 事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)/事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)
  2. 児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和8年3月31日こども家庭庁告示第5号)

最終確認日: 2026-08-14