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実務経験証明書の取り方 — 児発管・児童指導員に必要な証明を元の勤務先からもらう手順

児発管(児童発達支援管理責任者)や児童指導員任用資格、サビ管の確認に必要な実務経験証明書について、誰が発行するか・様式に必要な項目・依頼の手順・断られたときの対処・日数の数え方を、一次資料に基づいて解説します。

公開: 2026-08-13読了 約7

児童発達支援管理責任者(児発管)や児童指導員任用資格、サービス管理責任者(サビ管)の要件を確認するとき、学歴や資格証だけでなく「実務経験証明書」の提出を求められることがあります。実務経験証明書とは、これまで勤務した施設・事業所を運営する法人が、在籍期間・職務内容・雇用形態・実際に勤務した日数を証明する書類です。本人の申告だけでは実務経験として確認されないため、勤務した法人ごとに発行を依頼して集める必要があります。

実務経験証明書が必要になるのは、基礎研修の申込み時や、指定権者(都道府県・指定都市・中核市)へ実務経験を確認してもらうタイミングです。在職中の勤務先だけでなく、過去に退職した勤務先の分もすべて集める必要があるため、対象施設が多い人ほど早めの準備が要ります。この記事では、証明書が必要になる場面から、発行の依頼先、様式に必要な項目、依頼の手順、連絡がつかないときの対処、日数の数え方まで、一次資料に基づいて順番に説明します。

実務経験証明書が必要になる場面

実務経験証明書がよく必要になるのは、児発管・児童指導員任用資格・サビ管の3つの場面です。いずれも、本人が「これだけ働いた」と申告するだけでは足りず、勤務先が発行した書類で実務経験を確認する運用になっています。

制度実務経験の目安根拠
児童発達支援管理責任者(児発管)基礎研修の受講相談支援業務・直接支援業務(資格保有)は5年程度、直接支援業務(資格なし)は8年程度が目安(区分により異なる)平成18年厚生労働省告示第544号
児童指導員任用資格 第8号高校等卒業+児童福祉事業2年以上児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第43条第8号
児童指導員任用資格 第10号児童福祉事業3年以上(都道府県知事の確認が必要)同基準 第43条第10号
サービス管理責任者(サビ管)基礎研修の受講相談支援業務・直接支援業務(資格保有)・直接支援業務(資格なし)で年数区分が異なる平成18年厚生労働省告示第544号

どの区分に該当するか、あと何年で要件を満たすかといった詳しい判定は制度が細かく分かれています。この記事では、実務経験証明書そのものの取得手順にしぼって説明します。

実務経験証明書は誰が発行するか

実務経験証明書は、指定権者や国が発行するものではなく、実際に勤務していた事業所を運営する法人が作成し証明する書類です。施設長や人事・総務の担当者が在籍記録を確認し、代表者名で証明する形が一般的です。在職中の勤務先はもちろん、退職済みの勤務先についても、その法人へ個別に発行を依頼する必要があります。

実務経験証明書の発行を法律で義務づけた規定はなく、あくまで勤務先の対応に委ねられています(この点は労働基準法22条の退職証明書と異なります。詳しくは後述します)。実費・事務手数料を求める法人もあるため、依頼時に費用の有無を確認しておくと、後で慌てずに済みます。

様式と、記載が必要な項目

実務経験証明書は、提出先の指定権者が指定様式を公開している場合、その様式で提出を求められることが多くあります。たとえば東京都福祉局は、障害福祉サービス等の指定申請に関する書式ライブラリーで「実務経験証明書」の様式を配布しています。勤務予定・申請予定の指定権者のウェブサイトで、指定様式の有無をまず確認してください。

指定様式が見当たらない場合は、法人が独自に持つ様式や、一般的な実務経験証明書の様式を使うことになります。様式が違っても、次の項目が漏れなく記載されていれば、確認に必要な情報としては足りることが多いです。

項目記載内容の例
証明対象者の氏名・生年月日本人を特定できる情報
事業所名・所在地・法人名勤務していた事業所の名称と運営法人
職種・職務内容児童指導員、保育士、支援員など具体的な業務内容
雇用形態常勤・非常勤(パート)・派遣など
勤務期間在籍の開始日と終了日(在職中なら在職中である旨)
従事日数実際に勤務した日数(暦日数ではなく実勤務日数)
証明者の署名・押印施設長・代表者など、証明の責任を持つ立場の記名

社会福祉士国家試験の受験資格確認に使う実務経験証明書も、氏名・職務内容・雇用形態・勤務期間・従事日数といった同種の項目で構成されています(公益財団法人社会福祉振興・試験センターの様式)。分野をまたいでも、実務経験証明書に求められる基本項目は共通していると考えてよさそうです。

依頼の手順

いきなり様式を送りつけるより、事前に一報を入れてから進めるほうがスムーズです。基本的な流れは、①提出先の指定様式を確認・入手する、②依頼先の担当者に電話かメールで事前連絡する、③様式を送付する、④記入・証明者の署名(押印)を依頼する、⑤返送された内容を確認する、の5ステップです。

在職中の勤務先に依頼する場合

在職中であれば、直属の上司よりも、人事・総務の担当者や施設長に直接相談したほうが早いことが多いです。「◯◯の申請のために実務経験証明書が必要になった」と目的を伝え、指定様式がある場合はデータで送付します。同僚に知られたくない場合は、担当者宛に直接メールを送るなど、依頼のルートを選べないか確認してみてください。

退職済みの勤務先に依頼する場合

退職後しばらく経っている場合、当時の担当者が異動・退職していることもあります。まずは代表番号に電話し、「人事・総務の担当者」または「実務経験証明書の発行窓口」につないでもらうところから始めます。電話がつながりにくい法人には、内容が記録に残るメールや郵送での依頼に切り替えるのも一つの方法です。

勤務先が複数ある場合、それぞれの法人に個別の依頼が必要です。実務経験を通算して使う場合は、在籍していたすべての期間分の証明書を揃えてから提出先へ持ち込むと、後戻りが少なくなります。

断られた・連絡がつかないときの対処

実務経験証明書は、退職時に発行が義務づけられている書類とは異なります。労働基準法22条は、労働者が退職の場合に使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由について証明書を請求すれば、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めていますが、実務経験証明書はこの条文が対象とする証明事項そのものではありません。そのため、労基法22条を根拠に実務経験証明書の交付を強制することは基本的にできません。

実務経験証明書は、依頼しても必ず発行してもらえるとは限らない書類です。強制できる手段が限られる分、余裕を持ったスケジュールで、早めに依頼しておくことが実務上のいちばんの対策になります。

依頼しても反応がない、または断られた場合は、次のような選択肢があります。まず、法人の別の窓口(本部・別事業所・現在の管理者)に依頼できないか確認します。それでも進まない場合は、提出予定の指定権者(都道府県・指定都市・中核市の障害福祉担当課)に事情を相談し、代替の確認方法がないか尋ねる方法があります。法人自体が解散している場合は、通常の依頼はできないため、当時の代表者個人へ個別に連絡するか、指定権者へ「法人解散済み」である旨を申し出て、指示を仰ぐことになります。

実務経験の日数の数え方に注意する

「実務経験1年以上」といっても、単に在籍期間が暦の上で1年間あればよいとは限りません。東京都が公表している児童発達支援管理責任者の実務経験一覧表では、1年以上の実務経験について「業務に従事した期間が1年以上」であり、かつ「実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上」であることを言う、という数え方が示されています。

つまり、在籍期間が長くても、休職や勤務日数の少なさによって実際の従事日数が積み上がっていない場合、想定より実務経験として数えられる年数が短くなることがあります。実務経験証明書に従事日数の記載欄があるのは、この数え方を確認するためです。

日数の数え方や、どの業務範囲までを実務経験に含めるかの判断は、指定権者によって運用が異なる場合があります。申請前に、提出予定の指定権者へ直接確認してください。

よくある質問

実務経験証明書はどこでもらえますか

実務経験証明書は、実際に勤務していた事業所を運営する法人に依頼して発行してもらいます。指定権者や国が発行する書類ではありません。在職中・退職済みを問わず、勤務先の法人ごとに依頼が必要です。

様式はどこで手に入りますか

提出先の指定権者(都道府県・指定都市・中核市)が独自の様式を公開している場合は、その様式を使うのが確実です。見当たらない場合は、法人が独自に持つ様式や一般的な様式を使い、氏名・職務内容・雇用形態・勤務期間・従事日数といった記載項目が揃っているかを確認します。

法人が解散していて発行してもらえない場合はどうすればよいですか

法人が解散済みの場合、通常の依頼はできません。当時の代表者個人に直接連絡する、または提出予定の指定権者に「法人解散済み」の事情を申し出て、代替の確認方法がないか相談するといった対応が考えられます。

押印済みの原本ではなく、PDFやスキャンデータでの提出でもよいですか

原本(押印済み)の提出を求める指定権者もあれば、電子データでの提出を認める指定権者もあります。事前に提出先へ確認してから依頼を進めると、証明書を取り直す手戻りを避けられます。

実務経験証明書は、勤務先ごとに依頼から返送までに時間がかかる書類です。申請の直前になって慌てないよう、対象になりそうな勤務先を洗い出し、早めに依頼を始めておくことをおすすめします。

参考・引用

  • 厚生労働省・e-Gov法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)第43条 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82069000&dataType=0&pageNo=1
  • 厚生労働省告示第544号(平成18年9月29日)「指定障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの等」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8498&dataType=0&pageNo=1
  • 東京都福祉局「東京都サービス管理責任者研修・児童発達支援管理責任者研修について」(令和7年4月改訂・東京都心身障害者福祉センター地域支援課) https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/2025-03-31-082314-905
  • 東京都「東京都における児童発達支援管理責任者の要件となる実務経験一覧表」(別紙3・令和4年4月1日時点) https://soukensui.jp/files/libs/2202/202405071728581724.pdf
  • 東京都福祉局 障害福祉サービス等情報公表システム「書式ライブラリー」(実務経験証明書 様式配布) https://www.shougaifukushi.metro.tokyo.lg.jp/Lib/LibDspList.php?catid=052-034
  • e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)第22条(退職時等の証明) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「実務経験証明書の様式と記入方法」(参考: 社会福祉士国家試験の実務経験証明書様式) https://www.sssc.or.jp/shakai/youshiki_jitsumu.html

※ 本記事は2026-08-13時点の確認内容です。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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