保護者の方へ・就学・進学

障害のある高校生の進路選択 — 就労移行・継続支援・生活介護・進学の判断軸

障害のある高校生(放デイ利用中)の卒業後進路(就労移行支援・就労継続支援A型/B型・生活介護・就労・進学)の選択肢、判断軸、相談先、実例ベースで保護者目線で完全解説。

公開: 2026-05-23読了 約8

障害のある高校生の進路選択は、放デイ卒業(原則18歳)とほぼ同タイミングで訪れる人生の大きな分岐点です。「就労移行支援」「就労継続支援A型/B型」「生活介護」「一般就労(障害者枠)」「大学等進学」のどれを選ぶかで、その後10年・20年の生活リズムが大きく変わります。本記事では、障害 高校生 進路の選択肢を網羅し、保護者目線での判断軸を整理します。

高校3年生になってから動き始めると間に合いません。多くの放デイ卒業生の保護者は「高1の冬〜高2の夏」で進路の方向性を固め、高2後半から見学・体験を始めています。

高校卒業後の進路選択肢 — 5つのルート

進路対象像主な特徴
一般就労(障害者枠)一般企業で働ける力がある雇用契約・給与・社保あり
就労移行支援2年以内に就労を目指す訓練中心、原則賃金なし
就労継続支援A型雇用契約下で軽作業可最低賃金以上、社保あり
就労継続支援B型雇用契約なしで作業訓練工賃制(月1-2万円目安)
生活介護常時介護を要する重度日中活動+生活支援中心
大学・専門学校等学業継続が可能合理的配慮で通学支援

放デイ 卒業 進路の主流は「就労継続支援B型」と「生活介護」ですが、近年は就労移行支援を経由して一般就労(障害者枠)に進むケースも増えています。お子様の特性と本人の希望を軸に検討します。

就労移行支援とは — 2年で就労を目指す

就労移行支援は、原則18-65歳未満の障害者が「2年以内に一般企業への就職」を目指す訓練型のサービスです。雇用契約はなく、原則として賃金は発生しません(交通費・昼食代の補助がある事業所も)。PCスキル・ビジネスマナー・コミュニケーション・実習・就職活動サポートを2年間かけて行います。

  • 利用期間: 原則2年(自治体判断で1年延長可)
  • 対象: 一般就労を目指せると判断された障害者
  • 訓練内容: PCスキル、軽作業、ビジネスマナー、職場実習
  • 就職実績の差が大きい(年間就職率0%の事業所もあれば80%超もあり)

就労移行 高校生で利用検討するなら、必ず「直近3年の就職実績」と「定着率(6ヶ月/1年)」を見学時に確認すること。実績ゼロの事業所も実在します。

就労継続支援A型/B型とは — 働く場として通う

A型: 雇用契約あり、最低賃金以上

A型は、事業所と利用者が雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます。社会保険適用、有給休暇あり。比較的軽度の障害で、決まった時間に通勤して作業ができる方が対象。月収7-10万円程度が一般的です。

B型: 雇用契約なし、工賃制

就労継続 B型は雇用契約を結ばず、作業の対価として「工賃」が支払われます。全国平均工賃は月1万7,000円前後。体調や障害特性に合わせて柔軟に通えるのが特徴。高校卒業直後にA型に行ける力がない方の多くがB型からスタートします。

項目A型B型
雇用契約ありなし
給与/工賃最低賃金以上全国平均 約1.7万円/月
社会保険適用原則なし
利用期間制限なし制限なし
想定対象比較的軽度・通勤可体調や特性で柔軟通所が必要

生活介護とは — 日中活動と生活支援

生活介護 進路は、常時介護を要する障害者(障害支援区分3以上、50歳以上は区分2以上)が日中通所し、入浴・排泄・食事の介護や、創作活動・生産活動の機会を得るサービスです。放デイから生活介護に移行する割合は、重度知的・重度心身障害児で高くなります。

  • 対象: 障害支援区分3以上(常時介護が必要)
  • 利用期間: 制限なし(成人後も通える終身型サービス)
  • 内容: 食事/入浴/排泄介助 + 創作活動 + 軽作業
  • 送迎: 多くの事業所で実施

生活介護は「終の住処」になりやすい進路です。1度入ると20年・30年通うことも珍しくないため、見学時に「職員の入れ替わり」「活動内容のマンネリ化していないか」を必ず確認してください。

一般就労(障害者枠)という選択肢

障害者雇用促進法により、従業員43.5人以上の民間企業は障害者を法定雇用率(2.7%、2026年度)に基づき雇用する義務があります。高校(特別支援学校高等部含む)から直接、企業に障害者枠で就職するケースも増えています。

  • 特別支援学校高等部の就職率は約30%(全国平均)
  • 主な業種: 製造業、小売、清掃、事務補助、軽作業
  • 採用ルート: 学校進路指導 → ハローワーク → 企業実習 → 採用
  • 初任給目安: 月14-18万円程度(地域差大)

大学・専門学校等への進学

近年、障害学生の高等教育機関への進学が増加しています。障害者差別解消法により、大学にも合理的配慮の提供義務があり、ノートテイカー・別室受験・配付資料の電子化等の支援が受けられます。発達障害学生は2023年時点で大学だけで2万人を超えています。

  • 大学: 4年制、合理的配慮の整備が進む
  • 短大・専門学校: 2-3年、職業直結カリキュラム
  • 高等技術専門校(障害者職業能力開発校): 公共職業訓練の障害者特化版

進路選びの判断軸 — 5つの問い

  • 【本人の希望】 言語/非言語で本人の意思はどこにあるか
  • 【生活リズム】 毎日決まった時間に通えるか、体調変動はあるか
  • 【支援の必要度】 食事・排泄・移動に介助が必要か
  • 【親なきあと】 親が支援できなくなった後の継続性はあるか
  • 【経済性】 工賃/給与/年金で生活基盤が成立するか

「就労できそうだから就労」と決めるのは危険です。離職率が高く、B型に戻る事例も多いです。本人のストレス耐性と支援体制を冷静に評価してください。

相談先 — どこに聞けばいいか

  • 在籍する高校(特別支援学校)の進路指導担当 — 第一の窓口
  • 通所中の放デイの児発管 — お子様の特性を最も把握
  • 相談支援専門員(計画相談を担当) — 福祉サービス全般
  • 基幹相談支援センター(市町村設置) — 中立的な総合相談
  • ハローワーク 障害者専門窓口 — 一般就労を検討する場合
  • 地域障害者職業センター — 職業評価・職業準備支援

高校3年間のタイムライン

【高1】 情報収集と「向き不向き」の把握

  • 校内の進路ガイダンスに参加(本人同伴)
  • 先輩保護者・卒業生の進路実績を高校から聞き取り
  • 療育手帳の更新(高1で再判定)
  • 相談支援専門員に進路相談を開始

【高2】 見学・体験を集中的に

  • 5月〜: B型・生活介護・就労移行を3〜5施設見学
  • 夏休み: 短期実習(1-3日)を体験
  • 冬: 進路の方向性を家族で確定(就労系/福祉系/進学のどれか)
  • 主治医に「就労意見書」を依頼するなら早めに相談

【高3】 申請・契約・移行準備

  • 4-6月: 候補事業所で実習(連続1-2週間)
  • 夏: 進路を1-2か所に絞り込み
  • 9-12月: 受給者証の支給決定申請(計画相談と連携)
  • 1-2月: 利用契約、送迎ルート確定
  • 3月: 放デイ卒業 → 新たな日中活動先へ移行

受給者証の発行は申請から1ヶ月以上かかる自治体も。高3の1月以降に動き始めると4月利用開始に間に合わないケースがあります。

進路先の事業所がRootsで施設情報を公開していると、見学予約・空き状況・送迎エリアが一覧で見られます。

施設にRoots導入をリクエスト

参考・引用

  • こども家庭庁 障害児通所支援関連資料
  • 厚生労働省 障害者就労支援関連資料
  • 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬告示

※ 本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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