保護者の方へ・基礎知識
学習障害(LD/SLD)の早期発見サイン — 年齢別チェックリストと相談先
LD(学習障害・限局性学習症 SLD)の早期発見サインを年齢別・領域別(読み・書き・計算)に整理。DSM-5-TR 基準、ディスレクシア・ディスグラフィア・ディスカリキュリアの違い、相談先と受診の流れまで保護者向けに解説します。
学習障害(LD)、最新の医学用語では限局性学習症(SLD: Specific Learning Disorder)は、知的発達に遅れがないのに「読む」「書く」「計算する」のいずれかが極端に苦手な状態です。早期に気づいて適切な支援を始めると、本人の自己肯定感を守ったまま学習を続けられます。
DSM-5-TR では、知的能力・全般的発達が年齢相応であるのに、特定の学習領域(読み・書き・算数)で年齢期待を有意に下回り、それが学校・職業・日常生活に支障を及ぼす状態を SLD と定義します。発症は学齢期で気づかれることがほとんどです。
3つのサブタイプ
| サブタイプ | 別名 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 読みの障害 | ディスレクシア | 文字を音に変換しづらい、読みが遅い・間違う |
| 書きの障害 | ディスグラフィア | 文字を覚えられない、形が崩れる、書き写しが苦手 |
| 算数の障害 | ディスカリキュリア | 数の概念・計算手順・暗算が極端に苦手 |
複数のサブタイプを併せ持つこともあり、ADHD や ASD と併存することも珍しくありません。
就学前(5-6歳)に見られるサイン
- しりとりが極端に苦手(音韻意識の弱さ)
- 同じ絵本を何度読んでもセリフを覚えない
- 自分の名前のひらがなが書けない・形が崩れる
- 「3つの中で1つだけ違うものはどれ?」が苦手
- 左右・前後の区別がつきにくい
- 指を使って数えるが、5以上の数の概念があいまい
- 色・形の名前が定着しにくい
就学前のサインは「個人差」とも重なるため、診断は通常6-8歳以降になります。ただし保健センター・就学相談で早めに共有しておくと、入学後の支援がスムーズです。
小学校低学年(1-2年生)に見られるサイン
読みのサイン(ディスレクシア)
- ひらがなの拾い読みが2年生になっても抜けない
- 「、」「。」で区切れず、息継ぎが不自然
- 助詞(は・が・を)を読み飛ばす・読み間違える
- 「とり」を「とし」など似た文字に置き換える
- 同じ行を2回読む・行を飛ばす
- 音読の宿題を極端に嫌がる
書きのサイン(ディスグラフィア)
- 鏡文字(さ↔ち、め↔ぬ など)が2年生以降も残る
- マス目からはみ出す・大きさがバラバラ
- 書き順がデタラメで覚えられない
- 黒板を写すのが極端に遅い
- 同じ漢字を何度書いても覚えられない
- 作文で文が短く、語彙が広がらない
算数のサイン(ディスカリキュリア)
- 指を使わないと一桁の足し算ができない
- 繰り上がり・繰り下がりで混乱が続く
- 時計が読めない・時間の感覚が育たない
- お金の計算ができない(おつりが苦手)
- 「数の大小」がわかりづらい
- 文章題で何を問われているか把握できない
小学校中高学年(3-6年生)で目立ちやすいサイン
- 読書を避ける、教科書を読みたがらない
- 本人なりに頑張っているのに成績が「ある教科だけ」極端に低い
- 宿題に何時間もかかる(他の子の3倍以上)
- 「自分は頭が悪い」と言うようになる
- 学校に行きたくないと言い出す(二次障害のサイン)
- 体育・図工は普通にできる(=全体の知能ではない)
家庭でできる簡易チェック
| チェック項目(小学2年想定) | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 「ありがとう」をすらすら読める | ◯ | LD 疑い |
| 自分の名前を漢字 or ひらがなで書ける | ◯ | LD 疑い |
| 「3+5」を指を使わず答えられる | ◯ | LD 疑い |
| 1分間で30字程度の音読ができる | ◯ | LD 疑い |
| 黒板の文章をノートに写せる | ◯ | LD 疑い |
このチェックは医学的診断ではありません。「いいえ」が複数ある場合は、学校の特別支援教育コーディネーター・小児神経科に相談してください。
相談先と診断までの流れ
- 1. 担任 → 特別支援教育コーディネーターに相談
- 2. 学校・教育委員会の就学相談センター
- 3. 児童相談所・発達障害者支援センター
- 4. 小児神経科・児童精神科を受診(知能検査 WISC-V、読み書き検査 STRAW-R など)
- 5. 通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校の検討
- 6. 受給者証を取得して放課後等デイサービスを併用(学習特化型あり)
早期発見が大事な3つの理由
- 【1】自己肯定感を守れる: 「努力が足りない」ではなく「やり方が合っていなかった」と理解できる
- 【2】合理的配慮が受けられる: タブレット読み上げ・板書のプリント化・テスト時間延長など
- 【3】二次障害を防げる: 不登校・うつ・不安症のリスクを大幅に下げられる
Roots を導入している学習支援型の放課後等デイでは、家庭での読み書き・計算のつまずきポイントを支援員と共有でき、学校・家庭・事業所で一貫した個別支援が組めます。
やってはいけない関わり
- 「努力が足りない」と決めつけて叱る
- 同学年の子と比較する
- 読み書きの反復練習を「量」で押す(疲弊する)
- 「家でちゃんと教えてください」と学校に責められても1人で抱え込まない
- 診断を受けることに過剰に抵抗する(支援の入口が遠のく)
読み書き・計算のつまずきに対応した放デイをお探しの方は、Roots 導入施設にリクエストできます
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