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療育手帳がもらえない時の対応 — 判定基準・再申請・受給者証との違い

療育手帳の取得基準(IQ・社会適応)、申請して「もらえなかった」場合の対応(再申請・不服申立・受給者証で児発・放デイ利用)、療育手帳と通所受給者証の違いまでを保護者目線で丁寧に解説。

公開: 2026-05-23読了 約7

療育手帳は知的障害のある方が福祉サービス・税制優遇・各種割引などを受けるための手帳です。一方、申請しても「該当しない」と判定されて取得できないケースもあります。本記事では取得基準、もらえなかった時の対応、児発・放デイの利用に必要な「受給者証」との違いを保護者目線で解説します。

療育手帳の基本

  • 正式名称: 療育手帳(自治体により「愛の手帳」「みどりの手帳」など名称が異なる)
  • 対象: 知的障害のある児童・成人(18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が判定)
  • 区分: A(重度)・B(中度・軽度) の2区分が一般的(自治体により細分化あり)
  • 東京都の例: 1度(最重度)・2度(重度)・3度(中度)・4度(軽度)の4区分

取得の判定基準

療育手帳の判定は「知能指数(IQ)」と「社会適応能力」の2軸で行われます。IQだけで自動的に決まるわけではなく、日常生活でどの程度の支援が必要かも総合的に評価されます。

区分IQ目安社会適応
重度(A)概ね35以下基本的生活全般に支援が必要
中度概ね36-50生活の多くの場面で支援が必要
軽度概ね51-75部分的に支援があれば日常生活可能

IQの境界線(75前後)に位置する場合、判定機関により交付/非交付が分かれることがあります。社会適応の評価が大きく影響します。

なぜ「もらえない」ことがあるのか

  • 【理由1】IQが75を超えていて知的障害の基準に該当しない(「境界知能」「グレーゾーン」)
  • 【理由2】IQは低いが、社会適応能力が高く支援必要度が低いと判断された
  • 【理由3】発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD・LD等)のみで知的障害を伴わない
  • 【理由4】判定時の体調・心理状態で本来の能力が出せなかった

もらえなかった時の選択肢

【選択肢1】時間を空けて再申請

療育手帳の判定は子どもの発達段階により変動します。特に幼児期は数ヶ月で大きな変化があるため、半年〜1年後に再申請すると判定が変わるケースがあります。再申請は何度でも可能です。

【選択肢2】不服申立(審査請求)

判定結果に納得できない場合、都道府県知事への審査請求が可能です。ただし、判定機関の専門性が高いため、医学的・心理学的な追加根拠がないと結果が覆ることは少ないのが実情です。

【選択肢3】精神障害者保健福祉手帳の申請

自閉症スペクトラム・ADHD・LD など発達障害がある場合、療育手帳の対象にならなくても「精神障害者保健福祉手帳」の対象になることがあります。精神科の医師の診断書が必要です。

【選択肢4】手帳なしで児発・放デイを利用する

実は児発・放デイの利用には療育手帳は必須ではありません。「通所受給者証」があれば利用可能で、受給者証は手帳の有無に関わらず申請できます。手帳なしで受給者証だけ取得して通所しているお子さんは多くいらっしゃいます。

療育手帳と通所受給者証の違い

項目療育手帳通所受給者証
発行機関都道府県・指定都市市区町村
判定機関児童相談所・更生相談所市区町村(医師意見書ベース)
必要書類心理判定書類医師意見書・サービス利用計画案
取得目的福祉サービス・税制優遇・各種割引児発・放デイの利用
IQ基準概ね75以下基準なし(医師の意見書次第)
更新原則3-10年原則1年(児童は短い場合あり)

「療育手帳がもらえなかったから児発に通えない」ではありません。市区町村の障害福祉課で「通所受給者証の申請」を別途行えば、児発・放デイの利用は可能です。

通所受給者証 申請の流れ

  • 【1】市区町村の障害福祉課へ相談(電話または窓口)
  • 【2】医師の意見書を取得(発達検査結果・診断名等)
  • 【3】相談支援専門員と「サービス利用計画案」を作成 (または保護者作成のセルフプラン)
  • 【4】市区町村への申請書類提出
  • 【5】調査員による面接調査
  • 【6】支給決定 → 受給者証交付(申請から2週間〜2ヶ月)

医師意見書の取得先

  • かかりつけの小児科 — 発達相談歴があれば対応してくれることが多い
  • 児童精神科・発達外来 — 専門医の意見書は重みがある
  • 療育センター・地域療育支援センター — 発達検査と意見書をセットで対応
  • 大学病院 小児科・精神科 — 専門性が高いが予約待ちが長い場合あり

「グレーゾーン」のお子さんの選択肢

IQ75〜85前後の「境界知能」やグレーゾーンのお子さんは、療育手帳の対象外でも、明らかに集団生活で支援が必要なケースが多くあります。この場合は受給者証を取得し、児発・放デイで個別支援を受けることが有効です。子ども自身の特性に合わせた療育を早期に開始することで、就学後の困難を予防できます。

よくある質問

Q. 療育手帳は再判定で「降りる」(等級が下がる)こともある?

A. はい。療育効果や本人の成長により、再判定時に等級が変わる(下がる)ことはあります。手帳交付による各種サービスを受け続けたい場合は、診療継続記録などを整えて再判定に臨むことが大切です。

Q. 手帳がないと受けられないサービスは?

A. 特別児童扶養手当(手帳がなくても診断書で受給可能なケースあり)、税制優遇(障害者控除等)、JR・私鉄の運賃割引、自治体独自の手当・割引などは手帳が必要です。一方、児発・放デイの利用、療育センターの相談、発達検査などは手帳不要です。

Q. 申請から判定までの期間は?

A. 自治体により異なりますが、判定機関の予約待ちで1-3ヶ月、判定後の手帳交付まで1ヶ月程度が一般的。合計2-4ヶ月を見込んでください。

まとめ

  • 療育手帳の判定はIQ + 社会適応で総合評価
  • もらえなくても、児発・放デイの利用は「通所受給者証」で可能
  • 時間を空けて再申請、または別の手帳(精神保健福祉手帳)の検討も
  • 「グレーゾーン」のお子さんも受給者証取得で療育を受けられる
  • 迷ったらまず市区町村の障害福祉課・相談支援事業所へ相談を

参考・引用

  • 厚生労働省「療育手帳制度について」
  • 各都道府県の療育手帳交付要綱
  • 児童相談所・知的障害者更生相談所 判定基準

※ 本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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