保護者の方へ・基礎知識
通所受給者証と療育手帳の違い — 何が違って、両方必要なのか
「通所受給者証」と「療育手帳」を混同する保護者が多い。両者の根拠法・用途・取得方法・更新ルール・将来の影響を完全比較。療育手帳の取得タイミングと判定基準も実例で解説。
「通所受給者証」と「療育手帳」、名前が似ているため混同する保護者が非常に多い書類です。実はこの2つは根拠となる法律も、用途も、判定基準もまったく別の制度です。本記事では両者の違いを完全整理し、「両方必要なのか」「療育手帳は取らない方が良いのか」の判断軸を解説します。
結論: 児発・放デイの利用には「通所受給者証」が必要(全員必須)。「療育手帳」は知的障害がある子向けの福祉サービス・税控除等のための手帳で、取得は任意。
一目で分かる比較表
| 観点 | 通所受給者証 | 療育手帳 |
|---|---|---|
| 根拠 | 児童福祉法 | 厚生事務次官通知(法定外の都道府県制度) |
| 正式名称 | 障害児通所給付費等支給決定通知書 | 療育手帳(東京は愛の手帳、青森はあいサポートカード等) |
| 発行元 | 市区町村 | 都道府県・政令指定都市 |
| 対象 | 発達課題のある0-18歳 | 知的障害のある人(年齢制限なし) |
| 判定基準 | 医師の意見書・発達検査・聞き取り | IQ・適応行動・面接調査 |
| 用途 | 児発・放デイ等の利用 | 福祉サービス・税控除・公共料金割引等 |
| 更新 | 原則1年に1回 | 原則2-10年に1回(年齢・等級による) |
| 必須/任意 | 児発・放デイ利用には必須 | 任意取得 |
通所受給者証とは
通所受給者証は、児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援等の「障害児通所支援」を利用するために必要な証書です。児童福祉法に基づく市区町村発行のもので、診断書がなくても医師の意見書から発行可能です。月の利用可能日数(支給量)が記載されています。
取得の流れ(7ステップ)
- 保健センターに相談
- 心理士・保健師との面談
- 医師の意見書を取得
- 障害福祉課に申請
- 聞き取り調査
- 支給決定 → 受給者証発行(申請から1-2ヶ月)
- 事業所と契約
療育手帳とは
療育手帳は、知的障害がある人に対して都道府県・政令指定都市が独自に発行する手帳です。法律ではなく厚生事務次官通知に基づくため、自治体ごとに名称・等級・判定基準が異なります(東京都=愛の手帳、神奈川県=療育手帳 など)。
療育手帳の等級
| 区分 | IQ目安 | 主な状態 |
|---|---|---|
| A1(最重度) | 20以下 | 常時介護を要する |
| A2(重度) | 21-35 | 日常生活に常時援助を要する |
| B1(中度) | 36-50 | 日常生活に部分的援助を要する |
| B2(軽度) | 51-75 | 自立した日常生活が可能だが配慮を要する |
上記は東京都(愛の手帳)の区分です。自治体ごとに等級名・基準が違うため、お住まいの地域の制度を確認してください。
療育手帳の取得ルート
- 【ステップ1】 市区町村の障害福祉課に申請
- 【ステップ2】 児童相談所(18歳未満)または知的障害者更生相談所(18歳以上)で判定
- 【ステップ3】 心理判定(WISC・田中ビネー等の知能検査)
- 【ステップ4】 適応行動評価・面接調査
- 【ステップ5】 判定結果 → 手帳交付(申請から2-3ヶ月)
療育手帳のメリット
- 【税制】 障害者控除・特別障害者控除(所得税・住民税の優遇)
- 【交通】 JR運賃・バス・タクシー・航空機の割引
- 【公共料金】 NHK受信料減免・携帯電話料金割引
- 【医療】 自立支援医療・重度心身障害者医療費助成(自治体による)
- 【手当】 特別児童扶養手当・障害児福祉手当の認定根拠
東京都(愛の手帳)の具体的優遇例
- 都営交通(地下鉄・バス・都電)が本人無料
- 都立施設(動物園・庭園・美術館等)入場無料
- 所得税の特別障害者控除(40万円)
- 住民税の障害者控除(26万円 or 30万円)
- 自動車税の減免(本人または同居家族名義)
療育手帳の取得をためらう理由
療育手帳の取得を悩む保護者が抱える主な懸念点:
- 「知的障害」と公的に判定されることへの心理的抵抗
- 将来の就学・進学・就職への影響を懸念
- 保護者が本人に伝えるタイミングが難しい
- 一度取ると返納手続きが面倒なイメージ
療育手帳の所持は学校・就職先には自動的に通知されません。本人・保護者の任意で開示・非開示を選べます。また「やはり不要」と思った時点で返納できます(再取得も可能)。
取得を検討すべきタイミング
| ライフステージ | 取得検討の動機 |
|---|---|
| 乳幼児期(0-3歳) | 特別児童扶養手当の申請に活用 |
| 未就学期(3-6歳) | 療育の支給量交渉・就学前判定の根拠 |
| 就学期(6-15歳) | 特別支援学校進学・障害児通学費補助の活用 |
| 思春期(15-18歳) | 高校進学・通学定期券割引 |
| 成人前(18歳) | 障害基礎年金申請の前段階・就労支援B型等の利用 |
療育手帳を取らずに済むケース
療育手帳の対象は知的障害があるお子様です。以下のケースでは療育手帳は取得できない・または対象外となります。
- 高機能自閉スペクトラム症(IQ正常以上)
- ADHD単独(知的遅れなし)
- 学習障害(LD)単独
- グレーゾーン(発達検査でIQ76以上)
上記のケースでは、代わりに「精神障害者保健福祉手帳」を取得できる場合があります。発達障害は精神障害者保健福祉手帳の対象になり、税控除等の優遇は同等に受けられます。
💡 お子さまが通っている事業所にRootsの導入をリクエスト できます (匿名・無料)。施設にお伝えするだけで、保護者向けLINE通知や送迎追跡が使えるようになります。
よくある質問
Q. 受給者証だけで児発・放デイは使えますか?
はい、児発・放デイの利用には受給者証だけで十分です。療育手帳は不要です。
Q. 療育手帳を取ると児発の自己負担が下がりますか?
いいえ、児発・放デイの自己負担は世帯所得のみで決まります(0/4,600/37,200円)。療育手帳の有無は影響しません。
Q. 療育手帳を取った履歴は学校に通知されますか?
いいえ、自動通知はされません。本人・保護者の任意で学校に開示するかどうか決められます。
Q. 療育手帳の更新は必要ですか?
原則として等級・年齢に応じて2-10年ごとに再判定があります。「成長して状態が変わった」「等級を変更したい」場合は任意で再判定を申請できます。
療育手帳の取り方を詳しく
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