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人員配置基準と資格要件 — 児発管・保育士・指導員それぞれの要件詳細
児童発達支援・放課後等デイサービスの人員配置基準を職種別に詳解。児発管の実務経験・研修要件、管理者の兼務ルール、児童指導員任用要件、保育士の算定可否、PT・OT・ST・看護職員の配置基準、常勤換算の計算方法を2026年告示ベースで完全整理。開業前の採用計画にそのまま使える実務解説。
児童発達支援・放課後等デイサービスを開業・運営するうえで、人員配置基準と各職種の資格要件は「事業の前提条件」です。「自分は児発管の要件を満たすか」「保育士は児童指導員として算定できるか」「PT・OTを非常勤で雇うと加算はどうなるか」など、採用計画を立てる前に必ず把握しておくべき制度の全体像を、2026年告示ベースで職種別に解説します。
児童発達支援・放課後等デイサービスの人員配置基準の概要
人員配置基準は、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(以下「基準省令」)に規定されています。職種ごとに「常勤・非常勤の区別」「専従義務の有無」「必要員数の計算方法」が異なるため、混同しやすい点に注意が必要です。配置基準を1名でも満たさない状態が生じると、指定基準違反として減算処分(最大基本報酬の50%減)や指定取消の対象になり得ます。
| 職種 | 常勤専従義務 | 兼務の可否 | 資格要件の根拠 |
|---|---|---|---|
| 管理者 | 原則あり | 同一事業所内の他職種と兼務可 | 基準省令 第5条 |
| 児発管 | あり | 多機能型の同一法人内に限り可 | 基準省令 第5条・告示第544号 |
| 児童指導員・保育士 | うち1名以上常勤 | 管理者との兼務可 | 基準省令 第6条 |
| 機能訓練担当職員 | 義務なし(加算・型による) | 児童指導員等との兼務可 | 基準省令・加算告示 |
| 看護職員 | 重症心身障害児型は必須 | 児童指導員等との兼務可 | 基準省令 第48条等 |
「専従」とは、その職務に専念することを指します。管理者・児発管は他の事業所との兼務が原則禁止されていますが、同一事業所内での他職種との兼務(例: 管理者が児童指導員業務を兼ねる)は条件付きで認められています。
児童発達支援管理責任者(児発管)の実務経験・研修要件
児発管は、個別支援計画の作成・モニタリング・保護者との面談を担う法定役職です。児発管要件を満たすためには、所定の実務経験に加えて基礎研修・実践研修の修了が必要です。要件の根拠は厚生労働省告示第544号「相談支援従事者及びサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修に係る実務の経験の範囲等について」に定められています。
実務経験の3区分(告示第544号)
| 区分 | 必要年数 | 日数 | 対象業務の例 |
|---|---|---|---|
| A: 相談支援業務 | 5年以上 | 900日以上 | 相談支援専門員、児童相談所相談員、医療機関のMSW等 |
| B: 直接支援業務(有資格) | 5年以上 | 900日以上 | 保育士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・児童指導員任用資格者として直接支援 |
| C: 直接支援業務(無資格) | 8年以上 | 1,440日以上 | 資格なしで障害福祉・児童福祉事業に直接従事 |
多くの方は区分B(保育士または社会福祉士等の資格を持ち、直接支援業務5年・900日以上)で児発管要件を満たします。年数と日数は両方を満たす必要があります。週5日勤務なら5年で900日を超えますが、週4日以下の場合は達成時期が延びます。
研修体系:基礎研修→OJT→実践研修→更新研修
- 【STEP1】基礎研修(相談支援従事者初任者研修+児発管基礎研修): 都道府県主催・年1〜2回・集合研修2〜5日程度。修了後は「みなし児発管」として就任可(2年限定)
- 【STEP2】OJT 2年以上: 基礎研修修了後、みなし児発管として実際に個別支援計画の作成等を担う実務期間
- 【STEP3】実践研修: OJT期間経過後に受講可能。修了で正式な児発管として登録
- 【STEP4】更新研修(5年ごと): 令和元年度義務化。未修了のまま5年を超えると法定配置効力を失う
基礎研修は受講枠が限られており、都道府県によっては応募者多数で抽選になります。開業目標から逆算して1〜2年前に研修申込を行うことが望ましいです。日程・受講料は各都道府県にお問い合わせください。
管理者の要件と児発管との兼務ルール
管理者は、事業所の運営全般を統括する役職です。基準省令では「常勤かつ専従」が原則とされており、他事業所の管理者との兼務は原則できません。ただし、同一事業所内の他職種(例: 児童指導員、児発管)との兼務は、「管理業務に支障がない範囲」であれば認められています。
| ケース | 可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 管理者 + 同一事業所の児発管 | 可 | 管理業務に支障のない範囲で・自治体確認推奨 |
| 管理者 + 同一事業所の児童指導員 | 可 | 管理業務に支障のない範囲で |
| A事業所の管理者 + B事業所の管理者 | 原則不可 | 特例要件(同一建物内の多機能型等)を除く |
| 管理者 + 法人本部業務 | 条件付き可 | 事業所への勤務実態・業務分掌の整備が必要 |
管理者の兼務可否は自治体による解釈差があります。多店舗展開や法人本部兼務を想定する場合は、指定申請前に都道府県または政令市の担当窓口へ個別確認することを強くお勧めします。
児童指導員・保育士の任用要件と員数の考え方
放デイ 人員配置 資格の中で最も問い合わせが多いのが「児童指導員」の任用要件です。児童指導員は国家資格ではなく「任用資格」であり、児童福祉法施行規則に定められた一定の学歴・経験・資格のいずれかを満たす人が「任用」(その職に就くことができる)とされます。
児童指導員の任用要件(施行規則 第36条の35)
- 社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有する者
- 学校教育法に基づく大学・大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学科または課程を修めて卒業した者(短期大学・高等専門学校も対象)
- 幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれかの教員免許を有する者
- 高等学校卒業後、児童福祉事業(保育士業務含む)に2年以上従事した者
- 上記以外の者で、3年以上の児童福祉事業の経験を有し、かつ厚生労働大臣が指定する研修を修了した者
保育士の位置づけ
保育士 児発 資格については、保育士登録証(国家資格)を有する者は、児童指導員とは別枠として配置基準の員数に算定できます。基準省令上は「児童指導員または保育士」と列挙されており、両者を合算して必要員数を満たすことが可能です。保育士が別途「児童指導員任用資格」の要件を満たせば、どちらの職名でも算定できます。
必要員数の計算(標準型・定員10名以下の場合)
| 定員 | 常勤換算員数 | うち常勤の必要数 |
|---|---|---|
| 10名以下 | 2名以上 | 1名以上(常勤1名+非常勤可) |
| 11〜20名 | 3名以上(10名超で0.1名ずつ加算) | 1名以上 |
| 21名以上 | 4名以上(同上) | 1名以上 |
「常勤換算2名以上、うち1名以上常勤」は頻出の表現です。非常勤(週20時間)を2名雇っても常勤換算1名にしかなりません。「物理的に常勤(週40時間前後)の人材が最低1名」いることが必須です。
機能訓練担当職員(PT・OT・ST)の配置基準
機能訓練担当職員は、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・心理指導担当職員等が該当します。標準型の児童発達支援・放課後等デイサービスでは配置義務はありませんが、配置することで複数の加算が算定可能になります。
| 配置形態 | 算定できる主な加算(令和6年改定後) |
|---|---|
| PT・OT・STのいずれかを配置 | 専門的支援加算(体制加算+実施加算)・感覚統合加算(OTのみ) |
| ST を配置(言語訓練提供) | 言語訓練加算・専門的支援加算 |
| 心理担当職員(臨床心理士等)を配置 | 専門的支援加算(心理系) |
| 重症心身障害児型 | PT・OT・STのいずれか1名以上の配置が必須 |
非常勤・業務委託での配置でも加算算定は可能です。ただし「提供した日」の実績が必要なため、月数日の非常勤PT・OT・STを契約し、来所日の実績記録(支援記録・訓練記録)を残すことが算定要件となります。具体的な算定条件はお住まいの自治体へご確認ください。
看護職員の配置要件と加算との関係
看護職員(看護師・准看護師・保健師)の配置は、事業所の対象児童の特性によって扱いが大きく異なります。医療的ケア児や重症心身障害児を受け入れる事業所は特に注意が必要です。
- 【標準型・医療的ケア非対象】: 配置義務なし。配置する場合は「医療連携体制加算」(看護師派遣または招へい形式)の算定が可能
- 【重症心身障害児を主たる対象とする事業所】: 看護師・准看護師・保健師のいずれか1名以上の配置が必須要件(基準省令)
- 【医療的ケア児を受け入れる事業所】: 医療的ケア区分スコアに応じた加算(医療的ケア対応体制加算等)が存在し、スコアが高いほど看護師の常勤配置が加算要件化
- 【医療型児童発達支援】: 嘱託医・看護職員・PT・OT・STのフルセット配置が基準省令に定められている
医療的ケア児の受け入れを予定する場合、受け入れ体制(看護師配置・医師の指示書・対応プロトコル)を整備してから自治体と調整することが必要です。受け入れ要件・加算の詳細は都道府県または政令市の担当窓口にご確認ください。
非常勤・パートタイム職員の常勤換算方法
放デイ 人員配置 資格の実務では、非常勤・パートを組み合わせて配置基準を充足するケースが多くあります。常勤換算の計算式は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | 非常勤職員の月の勤務時間合計 ÷ 事業所が定める常勤勤務時間 = 常勤換算値 |
| 常勤勤務時間の例 | 週40時間(月換算約173時間)が一般的。就業規則で異なる場合はその値を使用 |
| 非常勤2名(各週20時間)の場合 | (20+20) ÷ 40 = 常勤換算1.0名 |
| 常勤1名+非常勤1名(週20時間) | 40+20 ÷ 40 = 常勤換算1.5名(うち常勤1名を満たす) |
常勤換算で員数を計算する際、「配置基準の充足」の確認タイミングは「毎月の勤務実績ベース」です。月ごとに常勤換算値を確認し、下回った月が生じないよう人員管理が必要です。
育休・産休の代替職員の確保は「配置基準の維持」観点から最重要課題の一つです。産休・育休に入る職員の代替採用計画を少なくとも3〜6か月前から着手することが推奨されます。
開業時の人員配置計画の立て方と採用優先順位
児童指導員 任用要件・児発管要件・管理者要件を把握したうえで、開業時の採用計画を設計します。以下は、標準型・定員10名・児発管と管理者を別立てにする場合の採用優先順位の例です。
採用優先順位の例(標準型・定員10名)
- 【最優先 #1】児発管(常勤専従1名): 研修修了まで1〜3年かかるため、自社内で育成か即戦力を早期確保。不在では基本報酬が大幅減算になるため開業の律速要因
- 【優先 #2】常勤の児童指導員または保育士(1名以上): 「うち1名常勤」要件を満たすため、フルタイム採用が必須
- 【優先 #3】非常勤・パートの児童指導員または保育士(常勤換算で合計2名以上に): 午後の学校降所時間帯に合わせた短時間勤務員を組み合わせるケースが多い
- 【任意 #4】機能訓練担当職員(PT・OT・ST): 加算狙いで非常勤・業務委託から。週1〜2日でも専門的支援加算を算定できる場合あり
- 【重症心身障害児型の場合は必須 #5】看護職員・嘱託医・機能訓練担当職員: 開業届出時点で配置を証明する必要あり
開業後の人員管理で押さえるポイント
- 定員増の届出(変更届)を提出した後は、新しい定員に対応した員数確保を忘れずに
- 職員の産休・育休・退職に備えて、常時「基準員数+1名」程度の余裕を持った配置が経営安定に直結
- 有資格者の資格証・研修修了証の写しは指定申請・実地指導で必ず求められるため、入職時に確実にコピーを取得して保管
- 常勤換算の計算は月次で実施し、基準を下回った場合は速やかに自治体への報告を検討
人員配置基準の管理は、有資格者の資格情報・勤務時間の常勤換算・配置充足状況の月次確認など、多くの実務を伴います。ROOTSのスタンダードプランでは、職員管理・シフト・有資格者一覧を一元化して配置基準の充足状況をいつでも確認できます。
人員配置計画をROOTSで管理する