制度・学術

個別支援計画の書き方と5領域記入例 — 児発・放デイ 実務テンプレ完全版

児発・放デイで必須の「個別支援計画」を、令和6年改定で標準化された5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語コミュニケーション/人間関係・社会性)に沿って完全解説。各領域の目標設定例と記入例文、6ヶ月モニタリングの注意点、よくある減算ケースまで。

公開: 2026-05-23読了 約10

個別支援計画は児童発達支援(児発)・放課後等デイサービス(放デイ)で児童一人ひとりに対して必ず作成すべき法定書類です。令和6年度改定では支援内容の標準化が進み、「5領域」に沿った計画作成が事実上の必須となりました。本記事ではガイドライン準拠の書き方と、各領域の具体的な記入例を実務目線で解説します。

個別支援計画とは何か

個別支援計画は、児童一人ひとりのアセスメント結果に基づき、「事業所が今後6ヶ月間で何を支援していくか」を文書化したものです。児発管が原案を作成し、保護者の同意署名を得て確定します。受給者証の有効期間と無関係に、初回作成から6ヶ月ごとにモニタリングと計画見直しを行う必要があります。

令和6年改定で標準化された「5領域」

こども家庭庁が令和6年7月に改定した「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」では、本人支援を以下の5領域で構成することが標準とされました。

No.領域名内容(概要)
健康・生活体調管理、食事、睡眠、排泄、衣服の着脱、基本的生活習慣の確立
運動・感覚粗大運動・微細運動、感覚調整(視覚・聴覚・触覚・前庭覚)、姿勢保持
認知・行動注意・記憶・概念形成、適応的行動、問題解決スキル、行動調整
言語・コミュニケーション受容言語、表出言語、非言語コミュニケーション、AAC(代替・拡大コミュニケーション)
人間関係・社会性愛着形成、対人関係、集団参加、ルール理解、自己理解と他者理解

5領域すべてを満遍なく含める必要はありません。アセスメントで「特に支援が必要」と判断した領域に重点を置き、他領域は概況程度の記述でも構いません。

計画作成の流れ

  • ①初回面談・アセスメント(保護者・本人へのヒアリング、行動観察)
  • ②児発管がアセスメント結果を集約し、5領域の支援目標案を起草
  • ③カンファレンス(管理者・児童指導員・保育士等で支援方針を擦り合わせ)
  • ④保護者に計画案を説明 → 同意署名を取得
  • ⑤計画交付(原本を事業所保管、写しを保護者交付)
  • ⑥日々の支援記録に基づき、3ヶ月目に中間モニタリング、6ヶ月目に正式モニタリング → 計画見直し

5領域 記入例(児発・3歳児ケース)

①健康・生活

【現状】偏食があり、特定の食感(柔らかいもの)を強く拒否する。トイレトレーニング進行中で、日中はパンツでも夕方以降は失敗が多い。

【6ヶ月後の目標】食事場面で苦手な食感のものを最低3品試せるようになる(声かけと段階的暴露)。トイレでの排尿を1日3回以上自発的にできるようになる。

【支援内容】昼食時に視覚的支援(食材カード)を用いた事前説明 / トイレへの誘いを2時間おきにルーティン化 / 成功時の即時称賛と記録カード貼付。

②運動・感覚

【現状】粗大運動は同年齢相当だが、両手協調が必要な動作(はさみ、ボタンかけ)が苦手。触覚過敏があり、新しい素材に触れることを強く避ける。

【目標】片手で紙を支え、もう片手ではさみを操作する動作を10秒以上継続できる。触覚遊び(粘土・スライム)に5分以上自分から参加できる。

【支援内容】手指巧緻性遊び(粘土・ひも通し)を毎日10分実施 / 触覚遊びは「見るだけ」「触るだけ」と段階を分けて選択肢を提示。

③認知・行動

【現状】見立て遊びが広がり始めている。一方、自分の予定が崩れると強い不安からパニックを起こすことがある。

【目標】絵カード等の視覚的予定提示があれば、予定変更を受け入れて気持ちを切り替えられる。

【支援内容】1日のスケジュールを絵カードで提示し、変更時は新カードを差し替えながら事前説明 / 切り替えに使えるルーティン(深呼吸・好きな歌を歌う等)を一緒に練習。

④言語・コミュニケーション

【現状】受容言語は2語文を理解。表出語彙は約20語で、要求は「指さし+発声」が中心。

【目標】要求場面で「ちょうだい」「やって」など2語文を1日5回以上自発的に発する。

【支援内容】要求の機会を意図的に設定(好きな玩具を手の届かない場所に置く等) / 言葉のモデリング(本人の発声をそのまま繰り返し、語尾を発達段階に合わせて拡張)。

⑤人間関係・社会性

【現状】平行遊びが多く、他児への関心は持ち始めているが直接的な関わりは少ない。

【目標】他児と同じ玩具を介して、順番交代の遊び(例: ボール転がし)を3往復以上行える。

【支援内容】少人数(2-3人)グループでの構造化された遊び場面を設定 / 支援者が仲介役となり「次は○○くんの番だね」と順番を視覚化。

5領域 記入例(放デイ・小学2年生ケース)

放デイでは「学齢期の発達課題」+「学校生活との接続」が焦点になります。例えば認知・行動領域では「45分の学習時間に集中して取り組める」、人間関係・社会性領域では「グループ活動でリーダー役を担う経験を積む」など、生活年齢に応じた目標設定が重要です。

モニタリングの注意点

  • モニタリング期間は「6ヶ月以内」厳守(過ぎると個別支援計画未作成減算の対象になり得る)
  • 中間モニタリング(3ヶ月)を非公式に行うことで、6ヶ月の本モニタリング作成負担を軽減できる
  • 目標の達成度は「達成」「一部達成」「未達」の3段階で評価し、未達の理由分析を必ず記載
  • 保護者へのヒアリング結果を必ず反映(児発側の視点だけで完結させない)
  • 次期計画では、達成済み目標は新しい段階に進め、未達目標は支援方法を見直して再設定

よくある減算ケース

  • モニタリング期限(6ヶ月)を1日でも過ぎた状態で給付請求 → 未作成減算
  • 保護者の同意署名がない計画で支援を実施 → 計画未作成扱い
  • 5領域のうち、明らかに必要な領域に支援内容の記載がない → 実地指導で改善指導
  • モニタリング記録が「変化なし」だけで、根拠となる行動観察記録がない → 不適切と判断

作成負担を軽減する3つのポイント

  • 5領域テンプレートを事業所内で標準化し、児発管が一から書き起こす時間を削減
  • アセスメント情報(発達検査結果、行動観察)を日々の記録から自動集約できるツールを活用
  • モニタリング期限の自動アラート(3ヶ月前・1ヶ月前)で「うっかり未作成減算」を防止

参考・引用

  • 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号) 第27条・第71条
  • こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」(令和6年7月)
  • こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(こども家庭庁・厚生労働省)

※ 本記事は2026-05-23時点の確認内容です。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

\ ROOTSで自動作成できる書類 /

記録を入力すれば、書類が自動で仕上がる。

個別支援計画・モニタリングから、体制等状況一覧表・加配加算の届出・国保連請求まで——加算の根拠ごとROOTSが自動でつなぎます。

日々の記録・利用実績から、国保連請求データと提出書類まで同じデータでつながります。

ROOTS|お金の流れの見える化

お金の流れ、CSV1枚で見えます

請求ソフトから書き出したCSVを読み込むと、売上と入金のズレ、月ごとの稼働と売上が並びます。家賃・人件費・その他の月額を入れれば、ざっくりの月次収支まで。ご利用にカードの登録は不要です。読み込んだファイルはROOTSに保存しません。

  • 売上と入金のズレ
  • 月ごとの稼働と売上
  • 固定費を引いた、ざっくり月次収支

関連記事

10分で読める児発・放デイの個別支援計画書き方完全ガイド — 5領域別記入例30パターン [2026年版]児発・放デイで必須の個別支援計画の書き方手順、5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)それぞれの記入例30パターン、保護者同意・モニタリングまでを実務目線で完全解説。8分で読める児発・放デイのモニタリング完全ガイド — 頻度・記入例・電話可否まで [2026年版]児発・放デイで必須のモニタリング(個別支援計画見直し)の法定頻度、3ヶ月中間・6ヶ月本モニタリングの違い、電話・対面の使い分け、未実施減算の回避、記入例まで2026年最新版で完全解説。9分で読める児発・放デイ アセスメントシート完全テンプレ — 情報収集から課題抽出までの実例集個別支援計画作成の出発点となるアセスメントシートの標準項目、保護者ヒアリング・行動観察・発達検査結果の集約方法、5領域別の課題抽出フレーム、初回面談からの実務フローを完全解説。7分で読める個別支援計画 ダウンロード可能テンプレート — 児発・放デイ 5領域対応版児発・放デイの個別支援計画書テンプレートを、令和6年改定の5領域構成(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語コミュニケーション/人間関係・社会性)に沿って即使える形で提供。アセスメント表・モニタリング表・支援記録票も含む完全パッケージ。