制度・学術

東京都 指定申請 必要書類チェックリスト — 23区・多摩対応版

東京都で児童発達支援・放課後等デイサービスの指定申請を行う際に必要な書類を、申請窓口別(23区・多摩・八王子・町田)に整理したチェックリスト。法人関係・人員関係・設備関係・運営関係の4カテゴリで網羅し、差し戻しが多い落とし穴と東京都独自の様式名も明記。

公開: 2026-07-02読了 約11

東京都で児童発達支援(児発)・放課後等デイサービス(放デイ)の指定申請を行う場合、「東京都 指定申請 書類 一覧」を調べると自治体ごとに様式名や提出方法が異なることに気づきます。児童福祉法第21条の5の15に基づく法令上の指定権者は東京都(および中核市の八王子市)ですが、東京都は事務処理特例条例に基づき多くの特別区や一部の市(町田市など)へ指定・指導等の事務を移譲しているため、実際の申請窓口は事業所の所在地によって東京都(多摩地域担当)・各特別区・八王子市・町田市などに分かれています。共通書類もあれば各窓口固有の書類もあります。本記事では必要書類を「法人関係」「人員関係」「設備関係」「運営関係」の4カテゴリに整理し、23区・多摩で差異がある点を明記します。指定申請の書類不備による差し戻しを防ぐための実務チェックリストとしてご活用ください。

本記事は2026年7月時点の公開情報に基づきます。書類様式・提出方法は年度ごとに改訂されます。申請前に必ず管轄の指定権者が公開している最新の「指定申請の手引き」を入手し、様式を最新版に更新してください。

東京都の申請窓口4系統と指定権者の確認方法

児発・放デイの指定申請は「指定権者」が受け付けます。東京都内では事業所所在地によって申請先が変わるため、物件の地番を確定した時点で指定権者を明確にすることが最初のステップです。

主な申請窓口対象エリア主な問い合わせ先備考
東京都福祉局 障害者施策推進部多摩地域(八王子市・町田市を除く) 立川市・府中市・調布市・三鷹市など東京都福祉局 障害者施策推進部 計画課 指定担当多摩地域の標準ルート。 書類は東京都統一様式
各特別区 (障害福祉担当課)23特別区 (新宿区・世田谷区・足立区・ 江戸川区など各区)各区の障害福祉課または 福祉部障害者サービス課法令上の指定権者は東京都。事務処理特例条例に基づき各区が申請・指導の窓口となっている場合が多い(移譲範囲は区により異なるため要確認)。独自様式・手引きあり。様式は区のHPからDL
八王子市 (障害者福祉課)八王子市内八王子市健康福祉部 障害者福祉課 事業所指定担当中核市移行により独自の指定権者
町田市 (障がい福祉課)町田市内町田市福祉部 障がい福祉課 計画担当法令上の指定権者は東京都。東京都の事務処理特例条例に基づく申請・指導の窓口となっている場合がある(移譲範囲・担当業務は要確認)。中核市ではない

「東京都内の物件だから東京都に申請する」と思い込むと申請先を誤るケースがあります。法令上の指定権者は東京都(および中核市の八王子市)ですが、東京都の事務処理特例条例により多くの特別区や一部の市が申請・指導の窓口になっている場合があります。移譲の範囲・内容は区市により異なり変わりうるため、物件の地番から所在地を確定させた上で、その区市(不明な場合は東京都福祉局)に申請窓口を必ず確認してください。

全指定権者共通の必要書類

児発・放デイの指定申請には、指定権者が異なっても共通して提出が求められる書類があります。これらは法令(厚生労働省令第15号)に基づく全国共通の基準書類であり、様式名が多少異なっても内容は同一です。東京都の「指定申請 書類 一覧」を確認する際の基盤として把握しておいてください。

書類区分具体的な書類名有効期間・注意点
申請書類指定申請書(第1号様式) 付表(事業所の概要) 事業計画書(東京都・一部区)申請先の指定権者所定様式を使用。 年度改訂あり
法人関係登記事項全部証明書(履歴事項全部証明書) 定款の写し 役員名簿 役員の誓約書登記簿は発行3ヶ月以内。 定款に児発・放デイ事業の記載必須
人員関係従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表 管理者・児発管の経歴書・雇用契約書 資格証の写し 実務経験証明書常勤換算計算書を添付する場合が多い
設備関係事業所の平面図 事業所の写真 賃貸借契約書の写し 消防法令適合通知書平面図は内法寸法・室名・面積を明記
運営関係運営規程 重要事項説明書 苦情解決体制の文書 利用料金表 各種マニュアル運営規程は開所後も変更届が必要

東京都(多摩地域)固有の追加書類と注意点

東京都福祉局が指定権者となる多摩地域(八王子・町田を除く)では、東京都が独自に定めた様式や追加書類の提出を求めています。東京都の「指定申請 書類 一覧」には都統一様式が並んでおり、厚生労働省の標準様式と見た目が異なることがあります。以下は多摩地域で特に注意すべき追加・独自書類です。

  • 事業計画書(東京都独自): 事業の目的・方針・支援内容・利用定員・営業時間・職員体制を記述。全国基準の申請書には含まれず東京都独自の要求
  • 収支予算書(多摩地域の一部自治体): 初年度の月別・科目別の収支見込みを表形式で提出
  • 建築基準法の用途確認書類: 物件の用途が「障害児通所施設等」として適合しているかを確認する書類(100㎡超は用途変更確認済証)
  • 近隣説明記録(地域により): 近隣住民・自治会への事前説明実施記録(説明会議事録・参加者名簿・質疑応答まとめ)
  • 送迎車両の写真・任意保険証(送迎実施事業所のみ): 車椅子対応の場合は仕様書も添付
  • 加算届出書(算定希望の加算がある場合): 指定申請と同時に提出するケースと指定後に別途提出するケースがある

多摩地域は東京都の「指定障害児通所支援事業者の指定申請の手引き」に掲載された様式を使用します。毎年4月に改訂版が公開されることが多く、旧年度の様式で作成すると受理されないケースがあります。申請前に東京都福祉局のホームページで「最終更新日」を確認し、最新版をダウンロードしてください。

23区申請の区別差異 — 様式・提出方法の確認ポイント

23特別区では、東京都の事務処理特例条例に基づき各区が指定・指導等の事務を担っているため、それぞれ独自の手引き・様式を持っている場合がほとんどです(移譲の範囲や内容は区により異なり、変わりうるため要確認)。東京都(多摩)の様式をそのまま23区の申請に使うことはできません。児発・放デイの東京都 指定申請書類を準備する際に特に差異が大きいポイントは以下の通りです。

確認ポイント区ごとの差異の例
様式の種類各区が独自の申請書様式を使用。区のHPからDLが必要。東京都(多摩)様式は使用不可
提出方法窓口持参のみ(来庁予約制)、郵送可、電子申請可など区により異なる。事前確認必須
提出期限指定希望月の前々月末が多いが、「20日締め」「第3金曜日」など区によって異なる
事前協議の必須性書類提出前の事前協議・相談を義務化している区が多い。アポなし窓口訪問不可のケースあり
事業計画書の有無事業計画書を独自様式で求める区(世田谷区・新宿区等)と不要な区がある
写真の枚数・サイズ室内写真の枚数や提出形式(紙プリント/PDF/CD等)を指定している区がある
利用定員の上限区独自の整備計画で定員数を制限しているケースあり(事前確認要)

23区申請で特に注意が必要な区の傾向

  • 待機児童が多く参入希望者が集中する区(足立区・江戸川区・板橋区等)では、定員や事業所数に関する整備計画との整合性確認を求められることがある
  • 事前協議の際に「競合他事業所との差別化」「地域のニーズとの合致」を求めるヒアリングを実施する区もある
  • 近年は電子申請を導入する区が増えており、従来の紙申請手続きと並行して準備が必要なケースもある
  • 各区の担当課名は頻繁に変わることがあるため、電話番号・窓口名は区の最新ホームページで確認することを推奨する

法人関係書類のチェックリスト

東京都 指定申請の法人関係書類は、どの指定権者でも共通して求められます。発行期限のある書類(登記簿・住民票等)は申請直前に取得すると作業が効率的です。

  • □ 指定申請書(申請先指定権者の所定様式・最新年度版)
  • □ 付表(障害児通所支援の種類ごとの記載欄あり)
  • □ 登記事項全部証明書(履歴事項全部証明書) — 発行3ヶ月以内
  • □ 定款の写し — 「障害児通所支援事業」「児童発達支援事業」「放課後等デイサービス事業」の記載確認
  • □ 役員名簿(役員の氏名・生年月日・住所・役職を一覧)
  • □ 役員全員の住民票(本籍地記載・発行3ヶ月以内) — 外国籍の場合は国籍記載
  • □ 役員全員の身分証明書(成年被後見人等でないことの証明・本籍地市区町村が発行)
  • □ 役員全員の誓約書(児童福祉法第21条の5の15 欠格事由非該当の自署押印)
  • □ 法人の納税証明書(法人税・法人住民税・法人事業税の3種類、直近1〜2期分)
  • □ 事業計画書(東京都・一部区の独自要求)
  • □ 収支予算書または収支計画書(指定権者により有無が異なる)

定款への事業種別記載は最重要確認事項です。「社会福祉事業」「障害者総合支援法に基づく事業」のみの記載では児発・放デイの指定申請の書類として不受理になります。「児童福祉法第6条の2の2に規定する障害児通所支援事業」「児童発達支援事業」「放課後等デイサービス事業」と明記されている必要があります。記載がなければ定款変更登記(約2〜4週間)が必要になるため、物件契約前に確認を。

人員関係書類のチェックリスト

人員関係は「児発管の書類」が最も差し戻しを受けやすい領域です。実務経験証明書や研修修了証は過去勤務先・研修実施機関へ発行依頼が必要なため、余裕をもって準備してください。東京都の指定申請書類として人員関係で必要なものを一覧します。

  • □ 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表(所定様式・常勤換算計算式を明記)
  • □ 組織体制図(法人本部と事業所の指揮命令系統を図示)
  • □ 管理者の経歴書(職歴・資格・現職確認のため)
  • □ 管理者の雇用契約書(または雇用承諾書・辞令)
  • □ 管理者の住民票(一部の指定権者で要求)
  • □ 児発管の経歴書
  • □ 児発管の実務経験証明書(勤務先施設の代表者名・公印入り・業務内容・従事期間を明記)
  • □ 児発管の基礎研修修了証の写し
  • □ 児発管の実践研修修了証の写し(みなし児発管の場合は基礎研修修了証のみ)
  • □ 児発管の雇用契約書(または雇用承諾書)
  • □ 保育士・児童指導員任用資格者・社会福祉士等の資格証の写し(全員分)
  • □ 児童指導員任用資格に該当する場合は卒業証明書または学位記
  • □ 常勤・非常勤職員の雇用契約書または雇用承諾書(指導員・保育士全員分)
  • □ 機能訓練担当職員(PT・OT・ST等)の資格証と雇用・委託契約書(配置する場合)
  • □ 看護職員の免許証の写し(医療型・医療的ケア対応の場合)

人員関係で差し戻しが多いポイント

  • 実務経験証明書が「事業所の施設長印」のみで法人代表者印が押印されていない — 無効と判断されるリスクがある
  • 研修修了証の修了番号が東京都に照会できない形式 — 都外の研修機関発行の場合は確認に時間がかかることがある
  • 常勤換算計算で週所定労働時間が「32時間」や「40時間」かを誤認 — 事業所の就業規則上の所定労働時間を根拠として明記
  • 管理者が他事業所の管理者・施設長を兼務している — 専従性の説明書類が追加で必要
  • 開設準備中の職員が「見込み」の段階で記名されている — 指定申請時点で雇用契約が締結されていることを示す書類が必要

設備関係書類のチェックリスト

設備関係は「消防」と「用途変更」が東京都内の指定申請 書類として最もトラブルになる領域です。東京都条例(平成24年東京都条例第73号)では全国基準に上乗せした設備基準があり、物件選定段階から行政との事前協議が欠かせません。

  • □ 事業所の平面図(縮尺1/50〜1/100・内法寸法・各室名・面積を明記)
  • □ 指導訓練室の面積計算書(定員×2.47㎡以上を示す計算式を添付)
  • □ 事業所の写真(指導訓練室・相談室・事務室・トイレ・洗面所・廊下・外観・避難経路を各1〜3枚)
  • □ 賃貸借契約書の写し(使用目的に「障害児通所支援事業」または「児童福祉施設」の記載確認)
  • □ 建物所有者の同意書(契約書の使用目的が「事務所」のみの場合は変更覚書を追加)
  • □ 建物の登記事項証明書(所有者確認のため。一部の指定権者のみ)
  • □ 消防法令適合通知書(消防署が発行する書類。検査前の「届出受理書」では不可の場合が多い)
  • □ 建築確認済証または検査済証(新築・大規模改修の場合)
  • □ 建築基準法 用途変更確認済証(床面積100㎡超で「障害児福祉施設等」への用途変更を伴う場合)
  • □ 避難経路図(2方向避難の確保を明示・非常口・避難梯子の位置を記入)
  • □ 設備一覧(多目的トイレ・手すり・スロープ等のバリアフリー設備の有無)
  • □ 送迎用車両の写真・車検証(送迎を実施する場合)

消防法令適合通知書の取得には消防検査が必要で、検査日の調整から通知書発行まで2〜4週間かかることがあります。また、東京都内の古い雑居ビルでは「児童福祉施設等」の用途に対応した自動火災報知設備・誘導灯が未整備のことが多く、追加工事が発生します。設備工事の完了後に消防検査を受けるスケジュールで申請全体を組み立ててください。物件内見の段階で、消防署への「事前相談(無料)」を利用するのが効率的です。

書類準備のスケジュールと事前協議との連動

東京都の児童発達支援・放課後等デイサービス指定申請は、開所希望月から逆算すると最低3〜4ヶ月のバッファが必要です。東京都(多摩)・23区いずれも「申請書提出の前に事前協議の予約が必要」となっている場合が多く、この工程を軽視すると申請自体が受理されません。

時期作業内容注意点
開所4〜5ヶ月前指定権者の確定・手引きDL 事前協議の予約(電話)事前協議は「物件の図面案」段階でもOK。 早いほど指摘を受けてやり直す時間が取れる
開所4ヶ月前事前協議の実施 物件の設備基準適合性の確認 消防署への事前相談事前協議で「追加書類の有無」「様式の最新版」を確認する
開所3〜4ヶ月前法人関係書類・役員書類の収集 児発管・管理者の採用確定 定款の事業記載確認登記簿・住民票等は申請提出直前に取得で鮮度を保つ
開所3ヶ月前物件契約・内装工事着手 平面図の最終版作成 消防工事・検査スケジュール確定賃貸借契約書の使用目的欄に「障害児通所支援事業」を明記させること
開所2〜3ヶ月前運営規程・重要事項説明書作成 全員分の雇用契約書準備 消防法令適合通知書の取得運営規程は指定権者のひな形を使い、法定必要事項の漏れがないか確認
開所2ヶ月前 (申請月の末日まで)指定申請書類の提出東京都(多摩)は月末締め翌々月1日指定が原則。 区は締切日が異なるため要確認
開所1ヶ月前自治体の現地確認・面接 不備連絡があれば修正・再提出現地確認は担当者が実際に事業所を訪問。 未完成状態での訪問は印象が悪い
開所月の前日まで指定通知書の交付 国保連請求コード取得申請 加算届出(必要な場合)指定通知書が届いてから保護者・受給者証保有者との契約が可能になる

東京都での指定申請で書類の差し戻しを防ぐには「事前協議で指摘事項をゼロにする」ことが最大の近道です。事前協議のタイミングで「この様式は最新版ですか」「追加で必要な書類はありますか」と積極的に確認し、口頭で言われた内容はメモを取って後日メールで確認する習慣をつけてください。

東京都の指定申請書類 よくある質問

様式はどこでダウンロードできますか

東京都(多摩地域)の様式は東京都福祉局のホームページ「障害者施策の推進 > 指定申請・届出関係」から入手できます。23特別区の様式は各区のホームページから入手してください。八王子市・町田市は各市の障害福祉担当課のページを参照してください。いずれも「指定申請の手引き」に様式集がまとめられています。

多摩地域と23区で共通の様式は使えますか

指定申請書の本体様式は指定権者ごとに異なります。東京都(多摩)の様式を23区に提出することはできません。ただし、定款・登記簿・役員の住民票など「取得する公的書類」は同じです。指定権者固有の様式(指定申請書・付表・運営規程のひな形等)だけを差し替える形で対応するのが効率的です。

法人設立と指定申請を同時に進めることはできますか

可能ですが、指定申請には登記簿謄本が必要なため「法人設立の登記が完了している」ことが前提です。法人設立(約1週間〜1ヶ月)→登記簿取得→定款確認→指定申請の順序となるため、開所希望日から逆算してスケジュールに余裕をもたせてください。法人設立と物件探しは並行して進めることができます。

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参考・引用

  • 東京都福祉局「指定障害児通所支援事業者の指定申請の手引き(令和6年度版)」
  • 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)
  • 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例(平成24年東京都条例第73号)
  • こども家庭庁「障害児通所支援の指定基準について」(令和6年3月)
  • 東京都福祉局「障害児通所支援事業者指定申請様式集(令和6年度)」

※ 本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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