制度・学術
訪問支援特別加算 — 不登校・通所困難児への訪問支援を評価する加算
訪問支援特別加算の算定要件、対象児童(継続的通所困難)、訪問支援の内容、月の算定上限、記録要件まで完全解説。
公開: 2026-05-23読了 約6分
訪問支援特別加算は、継続的に通所することが困難になった児童に対して、事業所職員が家庭等を訪問して支援を行った場合に算定できる加算です。不登校・引きこもり傾向の児童、長期入院後の児童など、通常の通所支援の枠組みから外れた児童への柔軟な対応を評価する仕組みです。
加算の単位数
- 訪問支援特別加算: 1回あたり 187単位
- 月の算定上限: 2回まで
- 訪問時間に関係なく1回あたり187単位
対象児童の判定
本加算の対象となるのは「概ね1ヶ月以上通所が困難な状態が続いている児童」です。短期的な体調不良や家庭の都合での欠席は対象外です。
- 不登校状態が継続している児童
- 長期入院・闘病で通所できない児童
- 心理的要因で外出困難な児童
- 家庭環境の変化(転居・家族の介護等)で通所困難な児童
算定要件
- 【要件1】 児童の通所困難状態が1ヶ月以上継続
- 【要件2】 児発管または児童指導員(任用)による訪問
- 【要件3】 個別支援計画に訪問支援の位置づけを明記
- 【要件4】 保護者・本人の同意のもと訪問
- 【要件5】 訪問支援の内容を記録
訪問支援の内容例
- 児童の状態確認(身体・心理状態)
- 簡単な活動や遊び(短時間)
- 保護者との相談援助
- 通所再開への動機づけ
- 家庭での支援方法のアドバイス
- 医療機関・学校との連携情報の共有
訪問場所
- 児童の自宅(最も一般的)
- 入院先の病院(医療スタッフの許可があれば)
- 一時保護施設(児童相談所・自治体の許可があれば)
- 療育センター等(関係機関同席の場合)
記録要件
- 訪問日時(年月日・開始終了時刻)
- 訪問場所
- 訪問者(児発管等の氏名)
- 児童の状態(身体・心理・行動)
- 訪問内容(具体的に・5W1Hで)
- 保護者の様子・要望
- 今後の支援方針
- 通所再開の見通し
家庭連携加算との違い
| 項目 | 訪問支援特別加算 | 家庭連携加算 |
|---|---|---|
| 対象 | 通所困難児童(1ヶ月以上) | 通所中の児童 |
| 内容 | 訪問による児童本人への支援 | 保護者との相談連携が中心 |
| 訪問先 | 自宅・病院等 | 主に事業所内(家庭訪問もあり) |
| 月上限 | 2回 | 4回 |
よくある誤算定
- 通常の通所中児童への家庭訪問を本加算で算定 → 家庭連携加算が正しい
- 1ヶ月未満の通所中断児童への訪問を算定 → 対象児童要件不充足
- 月3回以上算定 → 上限超過
- 通所再開後も継続算定 → 通所中は対象外
不登校児童支援のあり方
不登校・通所困難となった児童への対応は、本人のペースを最優先しつつ、孤立を防ぐことが重要です。訪問支援は事業所と児童の絆を維持する貴重な機会で、無理に通所を促すのではなく、本人が安心できる関係性を継続することを目的とすべきです。
事業所運営のコツ
- 通所困難な児童の状況を月次で確認(支援員と児発管の合議)
- 訪問計画は児童・保護者と相談しながら無理なく設定
- 訪問の結果を必ず個別支援計画に反映
- 医療機関・学校・相談支援事業所との連携を並行して実施