制度・学術

実績記録票の書き方 児発・放デイ|提供実績と請求の突合

サービス提供実績記録票の書き方を、記入項目・保護者確認・請求データとの突合の順に整理しました。提供時間や送迎の記載、欠席時対応の扱い、記録と国保連請求がずれないための運用を児発・放デイの現場目線で解説。実績記録票が加算や返戻に直結する理由まで、新人にも分かるようにまとめています。

公開: 2026-05-30読了 約8

サービス提供実績記録票は、児童発達支援・放課後等デイサービスで「その日、誰に、どのサービスをどれだけ提供したか」を保護者と事業所が確認し合う一次証跡です。この実績記録票の書き方があいまいだと、国保連への請求と記録がずれて返戻(へんれい)や過誤の原因になります。本記事では、実績記録票とは何かから、記入項目・書き方、保護者確認のもらい方、請求データとの突合、よくある記載漏れまでを、児発・放デイの新人にも分かる順で整理します。実績記録票の精度が、加算の算定可否や請求の通りやすさを分けるからです。

実績記録票は、サービスを提供した「事実」を保護者の確認とともに残す書類です。ここに書かれた提供実績を超えて請求することはできません。記録と請求明細が一致していないと、国保連の審査で返戻・過誤となる場合があります。

実績記録票とは — 何のための書類か

サービス提供実績記録票は、障害児通所支援の各サービスについて、日ごとの提供実績を1か月単位でまとめた様式です。国保中央会の請求事務の手引に基づき、事業所は毎月この記録票を作成し、保護者(利用者)の確認を受けたうえで請求明細書(サービス提供実績記録票と対になる明細)を国保連へ提出します。つまり実績記録票は、日々の支援記録(業務日誌・個別支援記録)と、国保連へ送る請求データの「あいだ」に立つ突合の要になる書類です。

実績記録票が果たす役割は主に3つあります。第一に、保護者に対して「この日、これだけのサービスを利用した」という事実を示し、確認をもらうこと。第二に、事業所内で提供実績を集計し、報酬区分・加算の算定根拠を確定させること。第三に、国保連への請求が実態に基づくものであることを証明することです。

  • 日ごとのサービス提供実績を月単位でまとめ、保護者の確認を受ける様式
  • 請求明細書と対になり、国保連への請求が実態どおりかを裏づける
  • 運営基準に基づく記録の整備義務の一部として、原則5年間の保存が必要(自治体により保存年限の取扱いが異なる場合があるため要確認)

実績記録票の様式や記入欄は、電子請求(伝送・電子媒体)を前提に国保中央会が示す形式が広く使われています。自治体・国保連から独自様式や補足の指定がある場合もあるため、様式の細部は必ず指定権者・国保連の案内で確認してください。

実績記録票の記入項目と書き方

実績記録票の記入は、月の基本情報(受給者証番号・利用者氏名・事業所番号・対象月・支給決定内容など)を押さえたうえで、日ごとの提供実績を1行ずつ埋めていくのが基本です。児発・放デイで特に間違いやすいのが「サービス提供の状況(実績の種別)」「提供時間」「送迎」「欠席時対応」の4点です。次の表に、日ごとの主な記入項目と書き方のポイントを整理します。

記入項目書き方のポイント間違いやすい点
提供日実際にサービスを提供した日を記入。予定日ではなく実績で書く欠席日に提供実績を書いてしまう
サービス提供の状況提供・欠席時対応・その他など、その日の実績種別を区分ごとに記入通常提供と欠席時対応を混同する
提供時間(開始・終了)実際の開始・終了時刻を記入。報酬区分(提供時間の区分)の根拠になる予定時間で書く/時間区分と不一致
算定時間数・回数当日の提供実績に応じた単位を記入。日ごとの合計が月次集計と一致するように日次と月次合計がずれる
送迎往路・復路の別など、送迎を行った実績を記録。送迎加算の算定根拠になる実施していない送迎を記録する
欠席時対応欠席時対応加算の要件を満たした場合のみ、その旨を区分して記入当日連絡なし等で要件を満たさない日に記録
保護者確認欄月の実績が確定した後に保護者の確認(署名・押印等)を受ける確認前に請求データを確定させる

提供時間の書き方 — 報酬区分に直結する

児発・放デイの基本報酬は、支援の提供時間の区分に応じて設定されています。そのため実績記録票の提供時間(開始・終了)は、予定ではなく実際に支援を行った時刻で書くことが重要です。開始・終了時刻が業務日誌や個別支援記録とずれていると、報酬区分の根拠が崩れ、審査で確認を求められることがあります。提供時間は、記録票・業務日誌・実際の支援時間の3つがそろって初めて根拠になります。

送迎の書き方 — 往復の別を実績で残す

送迎を行った日は、往路・復路の別など、実際に送迎した実績を記録します。この記録が送迎加算の算定根拠になります。実施していない送迎を記録しない、逆に実施した送迎を書き漏らさないことが、請求と記録を一致させる基本です。送迎の記録は、業務日誌側の送迎経路・乗車児童・運転担当の記録とも突合されるため、両方をそろえておくと安全です。

欠席時対応の書き方 — 加算要件を満たした日だけ区分する

利用予定日に子どもが欠席した場合でも、利用予定日の当日等に急な欠席の連絡を受け、電話等で相談援助を行い、その日の状況を記録するなど、欠席時対応加算の要件を満たしたときは、その旨を実績記録票に区分して記入します。要件(月内の算定回数の上限や、相談援助の記録など)を満たさない欠席日に欠席時対応として記録すると、過誤・返戻の原因になります。欠席は「通常提供」ではないため、提供実績の欄に混ぜず、欠席時対応かどうかを明確に分けて書くことがポイントです。

欠席時対応加算の算定回数の上限や相談援助の要件は、報酬告示・こども家庭庁の通知で定められています。年度・改定で取扱いが変わることがあるため、算定の可否と回数は最新の通知と自治体案内で確認してください。

保護者確認のもらい方 — 署名・押印・電子の扱い

実績記録票は、月の提供実績が確定した後に保護者(利用者)の確認を受けるのが原則です。保護者確認は、実績記録票に書かれた内容が事実であることを利用者側が認める手続きであり、請求の正当性を支える一次証跡になります。確認の方法は、署名または押印が一般的ですが、電磁的な方法(タブレット等での電子サイン)による確認も、運営基準上の電磁的記録・電磁的方法の要件を満たす範囲で認められます。

  • 月の実績が確定してから確認を依頼する(確認後に実績を書き換えない)
  • 署名・押印・電子サインのいずれでも、誰が・いつ確認したかが後から分かる形にする
  • 欠席時対応など通常提供でない実績も、内容を保護者が確認できる形で提示する
  • 電子で確認を取る場合は、電磁的方法の同意や本人性の担保など運営基準の要件を満たす

保護者の確認を受ける前に請求データを先に確定させると、確認の意味が形骸化し、後から実績と請求の食い違いが見つかったときに修正が難しくなります。確認 → 請求確定の順序を運用として固定しておくことが大切です。

請求データとの突合 — 記録と明細がずれないために

実績記録票の最大の役割は、国保連へ送る請求明細との突合です。実績記録票に書かれた提供実績(日数・時間区分・加算)と、請求明細書・請求データの内容が一致していないと、国保連の審査で返戻や過誤の対象になります。突合は「日次 → 月次集計 → 請求明細」の3段階でずれがないかを確認するのが基本です。

突合するもの確認する内容ずれると起きること
実績記録票の日数 ↔ 請求明細の利用日数提供日の数が一致しているか日数超過・不足による返戻
提供時間区分 ↔ 請求の報酬区分時間区分に対応した区分で請求しているか区分違いによる過誤・査定
送迎の記録 ↔ 送迎加算送迎を記録した日と加算算定日が一致するか算定根拠不明として査定
欠席時対応の記録 ↔ 欠席時対応加算要件を満たす日だけ算定しているか/回数上限内か上限超過・要件不備で返戻
保護者確認済みの実績 ↔ 請求内容確認を受けた実績の範囲で請求しているか未確認分の請求は根拠が弱い

突合でずれが見つかりやすいのは、月の途中で利用予定が変わったとき、送迎の有無が日によって違うとき、欠席時対応の要件を満たすか判断が分かれたときです。これらは日々の記録の段階で「実績どおりに書く」ことを徹底すると、月末の突合が大幅に楽になります。逆に、予定ベースで先に埋めてしまうと、実績との差分を後から拾い直すことになり、記載漏れやずれの温床になります。

ROOTS では、日々の提供記録・送迎記録・欠席時対応の記録をそのまま実績集計と請求データに反映する運用を想定しています。日次記録と月次実績・請求のずれを事前に見つけやすくすることで、突合の手戻りを減らすことを目指した設計です(記録から請求までの一貫運用)。

実績記録票でよくある記載漏れ・ずれ

最後に、実績記録票で起きやすい記載漏れ・ずれを整理します。日々の記録の段階でこれらを点検しておくと、月末の突合と請求の精度が上がります。

  • 【提供時間】開始・終了時刻を予定のまま書き、実際の支援時間・業務日誌とずれている
  • 【送迎】送迎を実施したのに記録が抜けている/実施していない送迎を書いている
  • 【欠席時対応】要件(急な欠席・相談援助・記録・回数上限)を満たさない日に欠席時対応として記録している
  • 【日数・時間の集計】日次の合計と月次集計・請求明細の数字が一致していない
  • 【保護者確認】確認を受ける前に請求を確定させている/確認欄が空欄のまま提出している
  • 【加算根拠】実績記録票に算定した加算の実績が残っておらず、審査で根拠を示せない
  • 【保存】過去分の実績記録票が散逸し、特定月の記録を提示できない

実績記録票は、業務日誌・個別支援記録・請求データをつなぐ突合の要です。「実績どおりに書く」「保護者の確認を受けてから請求を確定する」「日次・月次・請求の3段階で突合する」の3点を運用として固定すれば、記載漏れとずれの多くは事前に防げます。実績記録票の精度は、そのまま加算の算定可否と請求の通りやすさに表れます。

本記事は制度の一般的な解説です。実績記録票の様式・記入欄・保存年限・加算の算定要件は、報酬改定や自治体・国保連の運用で変わることがあります。様式の細部や算定の可否は、最終的に指定権者(都道府県・指定都市・中核市)および国保連の案内で確認してください。

参考・引用

  • 国民健康保険中央会「障害福祉サービス費等請求事務の手引」(サービス提供実績記録票の様式・記入方法)
  • こども家庭庁 障害児通所支援関係通知(サービス提供実績記録票の記載・欠席時対応加算等の取扱い)
  • 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号) 第5条・記録の整備に関する規定

※ 本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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