制度・学術

欠席時対応加算の記録例 児発・放デイ|算定要件と書き方

欠席時対応加算について、算定できる要件(前々日〜当日の欠席連絡・相談援助・記録)と、記録の書き方を具体例つきで整理しました。「連絡を受けて終わり」で算定漏れになる典型、月の回数上限、返戻を招く記載不足を児発・放デイの実務目線で解説しています。

公開: 2026-07-15読了 約8

欠席時対応加算は、児発(児童発達支援)・放デイ(放課後等デイサービス)で児童が急に欠席したとき、保護者からの連絡を受けて相談援助を行った対応を評価する加算です。ここで実務者がつまずくのは「連絡を受けたこと」ではなく「記録」です。欠席時対応加算は記録がすべてで、電話で欠席連絡を受けただけでは算定できません。本記事は制度の概要ではなく、欠席時対応加算の記録例と書き方に絞って、児発・放デイの現場でそのまま使える形に整理します。

この記事で分かるのは、①どのタイミングの欠席連絡なら算定できるか(When)、②何を記録に残せば算定要件を満たすか(What)、③なぜ「連絡を受けて終わり」だと算定漏れや返戻になるか(Why)、の3点です。単位数や上限などの制度全体の解説は別記事「欠席時対応加算 — 算定要件・対象ケース・記録要件」に譲り、こちらは記録の中身に踏み込みます。

前提として、欠席時対応加算は「利用予定日に児童が欠席し、保護者から連絡を受けて相談援助を行い、その内容を記録した」ときに算定します。逆に言えば、記録の書き方が甘いと、実際に丁寧な相談援助をしていても算定できず、運営指導や国保連の審査で返戻・過誤の対象になり得ます。まずは制度の骨格を最小限おさえたうえで、記録の書き方に入ります。

欠席時対応加算とは(単位数・回数上限)

欠席時対応加算は、利用予定日の前々日・前日・当日に欠席の連絡を受け、その際に相談援助を行い、内容を記録した場合に算定できる加算です。児発・放デイともに1回94単位で、児童1人あたり月4回までが上限とされています(令和6年度報酬改定・障害福祉サービス等報酬告示)。

項目内容
対象サービス児童発達支援・放課後等デイサービス(訪問系には設定なし)
単位数1回あたり94単位
算定上限児童1人につき月4回まで
連絡のタイミング利用予定日の前々日・前日・当日の欠席連絡

単位数(94単位)と月4回という上限は、こども家庭庁の報酬告示(令和6年度)にもとづく数値です。地域区分や加算率とは別枠なので、単位数はそのまま算定単位として扱います。金額換算は地域単価によって変わるため、実際の請求額は自事業所の単価で確認してください。

ここまでが最小限の制度の骨格です。数字自体はシンプルなので、算定できるかどうかの分かれ目は「連絡のタイミング」と「記録の中身」に集約されます。次に、その要件を記録の観点から3点に分解します。

欠席時対応加算の算定要件(連絡・相談援助・記録の3点)

欠席時対応加算の算定要件は、記録の観点で整理すると次の3点に落ちます。この3点がそろって初めて算定でき、1つでも欠けると算定漏れや返戻の原因になります。

  • 【要件1・連絡のタイミング】利用予定日の前々日・前日・当日に欠席の連絡を受けたこと。1週間前など早い段階から把握していた計画的な欠席は対象外とされています。
  • 【要件2・相談援助】欠席連絡を受けて、体調確認や次回通所の調整など、保護者に対する相談援助を行ったこと。連絡を受けただけでは算定要件を満たしません。
  • 【要件3・記録】誰が・いつ・どんな相談援助をしたかを記録に残したこと。この記録が算定根拠になります。

最もつまずきやすいのが要件2と3の境目です。「欠席の連絡を受けた」という事実の記録だけでは、相談援助を行った記録にはなりません。欠席時対応加算は「連絡を受けたこと」ではなく「相談援助を行い、それを記録したこと」を評価する加算だと捉えてください。

連絡のタイミングの判断例

例えば月曜日が利用予定日の児童について、日曜日の夕方に「明日は熱があるので休みます」と連絡が入れば前日の連絡なので対象になり得ます。なお前々日にあたる土曜日の連絡までが対象範囲に含まれます。一方、前の週の火曜日に「来週の月曜はお休みします」と申し出があった場合は、前々日より前の把握なので対象外と整理されます。記録には「利用予定日」と「連絡を受けた日時」の両方を残し、前々日〜当日の範囲に入っていることが後から確認できる状態にしておきます。

欠席時対応加算の記録の書き方(誰が・いつ・どんな相談援助をしたか)

ここが本題です。欠席時対応加算の記録は、支援記録の一部または欠席連絡記録として残します。書き方の基本は「誰が・いつ・誰から・どんな理由で・どんな相談援助をしたか」を、後から読んだ第三者が対応内容を再現できる粒度で書くことです。最低限そろえたい項目は次のとおりです。

  • 欠席日(本来の利用予定日)
  • 欠席連絡を受けた日時(前々日・前日・当日のいずれかが分かる形で)
  • 連絡者(保護者氏名・続柄)と連絡手段(電話・アプリ・メール等)
  • 欠席理由
  • 事業所が行った相談援助の内容(具体的に)
  • 対応した職員の氏名

相談援助の内容は、体調確認だけで終わらせず「事業所として何を伝え、どう調整したか」まで書くのがポイントです。以下に、算定要件を満たす記録例と、記載不足で算定漏れ・返戻を招く記録例を並べます。

記録例1:当日朝の体調不良(児発)

項目記入例
欠席日2026年7月13日(利用予定日)
連絡受信7月13日 8:20(当日)
連絡者・手段母より 電話
欠席理由朝から38.2度の発熱。食欲低下あり
相談援助の内容発熱の経過と水分摂取状況を確認。解熱後もすぐの通所は控え、平熱24時間経過を目安にする旨を伝えた。次回利用予定(7/15)の可否は前日に再連絡いただくことで合意。家庭での様子でぐったりが続く場合は受診を勧めた。
対応者児童指導員 佐藤

記録例2:前日夕方の通院判明(放デイ)

項目記入例
欠席日2026年7月14日(利用予定日)
連絡受信7月13日 17:40(前日)
連絡者・手段父より 連絡アプリ
欠席理由翌日に予防接種の通院が入ったため
相談援助の内容接種後の体調変化(発熱・接種部位の腫れ)が出る場合の家庭での過ごし方を確認。翌週の活動で予定していた集団プログラムのねらいを共有し、家庭でも取り組める簡単な代替の関わり方を提案。次回通所日の送迎有無を再確認した。
対応者児発管 田中

良い記録の共通点は、相談援助の欄が「確認した」で終わらず「何を伝え、何を提案し、何を合意したか」まで書かれていることです。この一文があるかどうかが、算定できる記録とできない記録の分かれ目になります。

算定漏れ・返戻になる典型(記載不足のパターン)

丁寧に電話対応していても、記録の書き方だけで算定できなくなるケースは少なくありません。運営指導や国保連の審査でつまずきやすい記載不足の典型を挙げます。自事業所の欠席記録を見直す際のチェック観点として使ってください。

記載不足のパターン起きやすい結果
「欠席連絡あり」とだけ記載し、相談援助の内容が無い相談援助を行った記録がなく、算定要件を満たさないと判断されやすい
相談援助欄が「体調確認した」のみで、伝えた内容・調整内容が無い相談援助の実質が読み取れず、記載不足を指摘されやすい
連絡を受けた日時が無く、前々日〜当日か判別できない連絡のタイミング要件を確認できず、返戻・過誤の対象になり得る
対応した職員名が無い誰が対応したか特定できず、記録の信頼性が問われる
計画的な欠席(1週間前把握など)を算定している対象外の欠席を算定しており、過誤・返戻につながる
同一日の朝・夕2回の連絡を2回算定、または月5回以上算定回数の数え方・月4回上限の超過で過大算定になる

同一日に複数回の連絡があっても、欠席時対応としては1日1回までの整理が基本です。回数のカウントと月4回上限は、請求前に児童ごとに必ず確認してください。上限を超えた算定は過大算定として返戻・過誤調整の対象になります。

月次の請求前チェック

欠席時対応加算は日々の欠席対応の積み重ねなので、月末にまとめて確認しようとすると記録の書き直しが効かず、算定漏れがそのまま確定してしまいます。次の順で、記録を書いたその日と請求前の2段階で確認するのが現実的です。

  • 欠席連絡を受けたその日に、相談援助の内容まで記録を書き切る(後追いで思い出して書くと粒度が落ちる)
  • 欠席日・連絡日時が前々日〜当日の範囲に入っているかを確認する
  • 相談援助欄に「伝えた・提案した・調整した」内容が1文以上入っているかを確認する
  • 対応者名が入っているかを確認する
  • 月末に児童ごとの算定回数を集計し、月4回を超えていないかを確認する
  • 請求担当と児発管で、記録と請求データを月1回照合する

毎日の記録が正しく残っていれば、月次の集計と請求は記録の転記で済みます。逆に、記録の欄が空いていたり相談援助の中身が薄かったりすると、後から埋めることはできず、その分が算定漏れとして固定されます。日々の記録の質が、そのまま欠席時対応加算の算定精度になるということです。

本記事の単位数(94単位)・月4回上限・連絡のタイミング(前々日〜当日)は、令和6年度報酬改定時点のこども家庭庁「障害福祉サービス等報酬告示」および留意事項通知にもとづく整理です。加算の要件の取り扱いや細部の解釈は自治体(指定権者)により異なる場合があるため、最終的な取り扱いは指定権者の指示と最新の告示・通知で確認してください(2026年7月時点)。

参考・引用

  • こども家庭庁「障害福祉サービス等報酬告示」(令和6年度報酬改定・欠席時対応加算)
  • こども家庭庁「障害福祉サービス等報酬改定に関する留意事項について」(欠席時対応加算の算定要件)
  • 国民健康保険中央会「障害児通所給付費等明細書の記載要領」

※ 本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。制度・自治体の運用は変更される可能性があります。

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