制度・学術
入浴支援加算 — 重症心身障害児・医療的ケア児への入浴介助加算
入浴支援加算の算定要件、対象児童、入浴介助の人員配置、設備要件、月の算定上限、令和6年改定での変更点を完全解説。
公開: 2026-05-23読了 約6分
入浴支援加算は、児発・放デイで重症心身障害児や医療的ケア児等に対して入浴介助を行った場合に算定できる加算です。家庭での入浴が困難な児童にとって、事業所での入浴は身体清潔保持と保護者の介護負担軽減の両面で重要なサービスです。
加算の単位数
- 入浴支援加算: 1回あたり 70単位
- 月の算定上限: 児童1人につき8回まで
- 主たる対象者を重症心身障害児とする事業所(重心型)では算定可
- 医療的ケア児を受け入れる事業所では条件付きで算定可
算定要件
- 【要件1】 対象児童(重症心身障害児・医療的ケア児等)の入浴介助
- 【要件2】 適切な人員配置(看護師等の医療職員の関与が望ましい)
- 【要件3】 入浴に必要な設備(リフト浴槽・特殊浴槽等)の整備
- 【要件4】 入浴介助の内容を支援記録に記録
- 【要件5】 個別支援計画に入浴支援の位置づけを明記
対象児童
- 重症心身障害児(大島分類1〜4)
- 医療的ケア児(吸引・経管栄養等を要する児童)
- 肢体不自由により家庭で入浴困難な児童
- 高次脳機能障害等で安全な入浴介助に専門性を要する児童
入浴介助の体制
- 看護師または看護助手等の医療職員(状態把握と発作対応)
- 介助職員2名以上(児童の体重・状態に応じて増員)
- リフト浴槽または特殊浴槽の使用
- 入浴前後のバイタルチェック
- 入浴中の温度・体調モニタリング
設備の要件
- バリアフリー浴室(車椅子からの移乗動線)
- リフト浴槽または特殊浴槽
- 滑り止めマット・手すり
- 入浴用補助具(浴室用車椅子・シャワーチェア等)
- 緊急時対応のための救急用品配置
記録要件
- 入浴日・時刻(開始終了)
- 対象児童氏名
- 介助職員氏名(複数全員)
- 入浴前後のバイタル(体温・脈拍・呼吸状態)
- 入浴内容(全身浴・部分浴・洗髪等)
- 児童の様子(リラックス度・体調変化)
- 特記事項(発作・トラブル等)
令和6年改定での変更点
- 入浴設備の要件明確化(リフト浴槽の推奨)
- 医療職員(看護師等)の関与による加算上乗せの検討
- 記録要件の厳格化(バイタル記録の必須化)
よくある誤算定
- 対象児童(重症心身障害児等)以外への入浴介助を算定
- 部分洗浄(手洗い・足浴等)を入浴として算定
- 月9回以上算定 → 上限超過
- 記録に介助内容・バイタルがない
事業所運営のコツ
- 入浴の頻度・タイミングは保護者と相談して設定
- 看護師・介護福祉士等を入浴介助時間に配置
- 入浴設備のメンテナンスを定期化(リフト故障防止)
- 感染症対策(浴室の清掃・タオル管理)を徹底