制度・学術
こども性暴力防止法(日本版DBS)|児発・放デイの確認手続と再確認
2026年12月25日に施行されるこども性暴力防止法について、児発・放デイの対象者、犯罪事実確認の流れと標準処理期間、現任職員の経過措置、5年ごとの再確認、スポットワークの最長6か月の取扱いを整理します。
こども性暴力防止法(令和6年法律第69号)の施行日は、政令により2026年12月25日に確定しています。指定を受けた児童発達支援・放課後等デイサービスは義務対象事業に含まれます。この記事は、こども家庭庁が公表する法律・政令・ガイドライン・Q&Aを2026年8月15日に確認し、実務上の期限と手順を整理したものです。
犯罪事実確認は、応募者をあらかじめ登録しておく制度ではありません。本人が承諾していても、対象業務に従事させることが決定していない段階では確認できません。採用・配置の決定と確認手続の順序を分けて設計します。
児発・放デイで誰が確認対象になるか
指定児童発達支援・指定放課後等デイサービスでは、管理者、児童指導員、保育士、児童発達支援管理責任者、機能訓練担当職員、看護職員、指導員など、法令上の配置職種は原則として対象です。一方、嘱託医、調理員、送迎車の運転手、事務職員などは職名だけで一律に決まらず、実際の業務に支配性・継続性・閉鎖性があるかを事業者が判断します。
| 区分 | 児発・放デイでの整理 |
|---|---|
| 原則として対象 | 管理者、児童指導員、保育士、児童発達支援管理責任者、機能訓練担当職員、看護職員、指導員など |
| 業務実態で判断 | 嘱託医、調理員、送迎運転手、事務職員、その他の補助者など |
| 雇用形態 | 常勤・非常勤・有期・派遣・業務委託・ボランティアという名称だけでは除外されない |
個別の職務が対象業務に当たるか迷う場合は、職名ではなく担当場面、こどもとの関係、見守りの有無を記録し、政省令・ガイドラインで確認してください。
犯罪事実確認の手続
交付申請の主体は対象事業者です。従事予定者が自分で確認書を取得して持参する仕組みではありません。事業者と従事予定者が「こまもろうシステム」でそれぞれ必要情報を登録し、事業者が交付申請を行います。
| 順序 | 事業者・従事予定者の作業 |
|---|---|
| 1 | 事業者がGビズIDを取得し、こまもろうシステムに事業者アカウントを作成する |
| 2 | 対象業務への採用・配置を決定し、従事予定者をシステムに登録する |
| 3 | 従事予定者が案内メールから本人アカウントを作成し、本人確認を行う |
| 4 | 事業者が職名、勤務先、従事開始予定日などを登録し、雇用契約書・内定通知書などの資料を添付する |
| 5 | 従事予定者が戸籍情報等を登録し、事業者が交付申請を行う |
| 6 | こども家庭庁が法務省への照会を経て、確認書を事業者へ交付する |
標準処理期間は国籍で異なる
| 申請従事者 | 公式Q&Aの標準処理期間 |
|---|---|
| 日本国籍者 | 2週間から1か月程度 |
| 外国籍者 | 1か月から2か月程度 |
これは申請後の標準処理期間であり、書類準備や不備補正の時間は別に見込みます。新規従事者は原則として対象業務の開始日までに確認を終えるため、外国籍者も含めた採用フローは余裕を持って逆算します。
確認前に従事できる「いとま特例」は、急な欠員などのやむを得ない事情がある場合の例外です。通常の採用短縮策として使うものではありません。該当性、期限、確認までの安全確保措置は政省令・ガイドラインで確認してください。
現任職員の経過措置
施行時現職者とは、2026年12月25日時点ですでに対象業務に従事している人と、2026年12月24日までに内定・内示等があり対象業務に従事させることが決定していた人です。義務対象事業者は、これらの人の確認を2029年12月24日までに終える必要があります。
施行時現職者の申請は集中を避けるため分散して行われます。対象者名簿、担当業務、本人説明、アカウント作成支援を先に準備し、実際の申請時期は事業者ごとに示される割当てと最新の政省令・ガイドラインで確認してください。施行前に犯罪事実確認そのものを済ませる運用ではありません。
確認の有効範囲と5年ごとの再確認
継続して対象業務に従事する人は、前回の確認日の翌日から5年を経過する日の属する年度の末日までに再確認します。「確認書がどの勤務先でも5年間有効」という意味ではなく、確認した対象事業者が継続従事者について管理する再確認期限です。兼業先など別の対象事業者では、その事業者による確認手続が必要です。
同一事業者でスポット勤務を繰り返す場合は最長6か月
一度確認を終えたスポットワーカーや短期従事者について、事業者と本人が「一定期間内に同一事業者で再び対象業務に従事する可能性がある」旨の意向確認書面を取り交わした場合、その期間内は確認記録を保有でき、再度従事するときの新たな確認は不要です。書面で定められる期間は最長6か月です。6か月を超えて再度の従事可能性を残す場合は、期間満了時に改めて犯罪事実確認を行い、新たな書面を取り交わします。
結論:「法人×求職者に一律6か月の有効期間」があるわけではありません。最長6か月の再確認不要は、最初の対象業務への従事決定と犯罪事実確認が済んだ後、同一の対象事業者と従事者が意向確認書面を交わした場合に限る取扱いです。別の事業者へ持ち運べる証明ではなく、従事先未定の人材プールを先に確認する根拠にもなりません。
有期契約の終了後も再び対象業務に従事することが、更新後の契約書など客観性のある書面であらかじめ決まっている場合は、そもそも「離職」と扱わず、契約の切れ目だけを理由とする再確認は不要です。また、退職後30日以内で、確認記録がまだ廃棄・消去されていないうちに同一事業者へ再就職した場合にも、元の再確認期限までは新たな確認を要しない取扱いがあります。どの例外を使うかは記録を分けて判断します。
確認記録は通常の人事台帳と分ける
犯罪事実確認書と、その記載情報に係る記録は機微性が高く、法令上の情報管理措置と廃棄・消去期限の対象です。確認結果を通常の採用台帳、チャット、共有フォルダへ転記せず、こまもろうシステムと事業者の情報管理規程に沿って、取扱者と権限を限定します。派遣労働者の確認は派遣先が行い、確認結果そのものを派遣元へ伝えることはできません。
- 対象者の洗い出し表と、犯罪事実確認の結果を記録する領域を分ける
- 確認書を扱う担当者とシステム権限を必要最小限にする
- 離職、対象外業務への変更、5年経過後の期限を管理し、法定期限に廃棄・消去する
- 派遣・兼業・スポット勤務は、どの対象事業者が確認主体かを契約段階で整理する
施行前に決めておくこと
- 職員ごとの担当場面を確認し、対象業務かどうかを判定する
- 施行時現職者を確定し、2029年12月24日までの分散申請計画を作る
- 採用・配置決定から従事開始までに標準処理期間を確保する
- スポット勤務では意向確認書面を使う条件と最長6か月の期限を管理する
- 情報管理規程、権限、廃棄・消去の担当を決める
制度の様式、システム操作、事業者ごとの申請時期は更新されることがあります。実際の運用開始時には、こども家庭庁の最新ページと政省令・ガイドラインで確認してください。